札幌の空き家・長期不在の水抜き|冬じまいの手順と凍結させたときの費用の考え方

札幌の空き家・長期不在の水抜き|冬じまいの手順と凍結させたときの費用の考え方リフォーム・リノベの費用

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※2026年9月6日時点の公開情報をもとにしています。設備の操作は必ずお使いの機器の取扱説明書に従ってください。

相続した実家、冬の間だけ空ける家、売却活動中で誰も住んでいない家——札幌でこうした家を持つとき、冬に入る前の最重要作業が水抜き(水落とし)です。人が住んでいる家なら異変にすぐ気づけますが、空き家は破裂しても誰も気づかず、春に大量の水が出てから発覚します。この記事では、札幌市水道局が案内している正式な手順と、空き家・長期不在ならではの注意点、そして凍結させてしまったときの費用の考え方を、宅建士 Akira.N が整理します。

結論:空き家の「冬じまい」は水抜きが最優先。修繕費は自己負担

先に押さえておくべきことは3つです。

  • 札幌市水道局は「12月から2月にかけて、水道の凍結事故が多発します」と案内しています。空ける家は12月に入る前に作業を終えるのが安全です
  • 凍結・破裂の修繕は「水道局では凍結修繕は行いません」とされ、依頼先は指定給水装置工事事業者です。そして「修繕費用はお客様の自己負担です」と明記されています
  • 水抜きは「やったつもり」が一番危ない。水道局も「ハンドルの開け閉めが不完全ですと、水が完全に抜けず、凍結や破裂の原因になります」と注意しています

つまり空き家の冬じまいは、失敗しても誰も気づかず、費用は全額自分持ちという構図です。だからこそ手順どおりに、そして「本当に抜けたか」を確認して終える必要があります。

札幌市水道局が案内する水抜きの手順

以下は札幌市水道局が公開している操作手順です(同局サイト、2023年12月28日更新、確認日2026年9月6日)。水抜き栓の位置と種類(手動ハンドル式か電動式か)は家によって違うので、作業前に確認してください。

水を抜くとき

  1. 蛇口を閉める
  2. 水抜き栓のハンドルを右に止まるまで回す(レバー式は「止」の方向)
  3. 蛇口を全開にする
  4. 空気入れ蛇口・水抜き用蛇口も全開にする
  5. 水が完全に出なくなったのを確認してから、各蛇口を閉める

要は④と⑤です。空気が入らないと管の中に水が残ります。「全部の蛇口を開けて、出きるまで待つ」が肝心で、ここを省くと抜けたつもりで水が残ります。

水を出すとき(春や、途中で戻るとき)

  1. 全部の蛇口が閉まっていることを確認する
  2. ハンドルを左に回す(レバー式は「出」の方向)
  3. 蛇口をゆっくりと開ける

設備ごとの注意

設備水道局の案内空き家でとくに効くポイント
給湯器「取扱説明書に基づき、水を抜いてください」機種ごとに操作が違う。説明書が家に無ければ型番から入手しておく
トイレ排水ハンドルでタンクを空にし、「便器内の凍結にもご注意ください」タンクだけ抜いて便器の溜まり水を忘れやすい。ここが割れると被害が大きい
電動式水抜き栓「停電の際には、取扱説明書などにより復旧操作を行ってください」無人の家では停電に気づけない。冬の停電後は現地確認が要る

長期不在・空き家でとくに注意すること

住んでいる家との一番の違いは、異常が起きても誰も気づかないことです。そのぶん、事前の作り込みで差がつきます。

  1. 元栓(止水栓)まで閉める:万一どこかで漏れても、供給が止まっていれば被害が広がりません。水抜きと元栓の両方を行うのが空き家の基本です
  2. 暖房を完全に止めるかを決めておく:暖房を切る前提なら水抜きは必須です。逆に最低限の暖房を残す場合でも、灯油切れや停電で止まれば同じ状況になるため、水抜きをしない選択は避けるのが無難です
  3. 電動式水抜き栓なら停電対策を考える:停電で復旧操作が必要になる機種があります。無人だと誰も操作できないので、手動でも閉められるか、近隣や管理を頼める人がいるかを確認しておきます
  4. 冬の間に一度は現地を見る段取りを作る:郵便物の滞留、雪の重み、屋根まわりの状態も同時に確認できます。無落雪屋根ならすが漏りの点検も冬前に済ませておくと、冬に踏み込む用事が減ります
  5. 誰が鍵と連絡先を持っているかを決めておく:遠方に住んでいる場合、異常時に動ける人がいないと発見が春まで遅れます

基本的な水抜きの流れそのものは、住んでいる家でも同じです。手順の基礎は冬の水抜き手順の記事にもまとめています。

いつ何をするか:札幌の冬じまいカレンダー

空き家の冬じまいは、雪が積もってからでは動きにくくなります。作業ごとに適した時期を先に決めておくと、取りこぼしが減ります。

時期やることねらい
9〜10月水抜き栓の位置と種類(手動か電動か)を確認。給湯器の取扱説明書を用意。屋根・雨どい・ドレンの点検を業者に依頼凍結する前に「操作できる状態」と「屋根の詰まり」を潰しておく
11月家財の片づけ、郵便物の転送手続き、鍵と緊急連絡先の共有。近隣へ不在の連絡異常時に動ける体制を作る
12月に入る前水抜き・元栓の閉栓・給湯器とトイレの水抜きを実施。作業後に写真を撮っておく水道局が「12月から2月に凍結事故が多発」とする期間の前に完了させる
1〜2月可能なら一度現地確認(雪の状況・屋根・郵便物・停電の有無)無人の家で唯一の発見機会をつくる
3〜4月通水は蛇口を閉めてからハンドルを開け、ゆっくり開栓。漏れがないか各所を確認解氷後の漏水を早期に見つける

写真を撮っておくと、翌年に別の人が作業する場合や、業者に相談するときに状態を説明しやすくなります。空き家は「去年どうしたか」が残らないことが多いので、記録が効きます。

凍結・破裂させてしまったら

水道局が案内している対処と、やってはいけないことは明確です。

  • 対処:「露出している管や蛇口などにタオルを巻きつけ、上からお湯をゆっくりかけると、水が出るようになります」
  • 禁止:「蛇口などに直接お湯をかけたり、直火を当てたりしますと、破裂や火災の危険があります
  • 依頼先:指定給水装置工事事業者のうち「修繕対応受付の凍結修繕に○が記載されている業者」へ。水道局は凍結修繕を行いません
  • 費用:「修繕費用はお客様の自己負担です」。水道局は複数の業者から見積もりを取ることを案内しています
  • 受付:札幌市水道局 電話受付センター 011-211-7770

金額はこの記事では書きません。破裂した場所(露出管か壁の中か床下か)、凍結の範囲、復旧に伴う内装の補修の有無で大きく変わり、ひとつの相場で語れないためです。水道局自身が複数見積もりを勧めていることが、そのまま実務的な答えになっています。急いでいるときほど1社の言い値で決めがちなので、「応急処置」と「原因を断つ工事」のどちらの見積もりか内装の復旧費が含まれるかを必ず確認してください。

同じ工事でも、会社によって見積もり額は2〜3割変わることがあります。先に相場を知っておくと、提示された金額が妥当かどうか自分で判断できます。

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持ち続けるか、手放すか:空き家の宅建士メモ

冬じまいは毎年続きます。相続した実家をどうするか決めていない場合、判断を先送りするほど負担と傷みが積み上がります。

  • 建物は使わないほど傷む:暖房を止めた家は結露やカビが進みやすく、凍結被害が重なると内装まで傷みます。傷んでから売ると、状態の悪さがそのまま条件に反映されます
  • 売るときは履歴を伝える必要がある:過去の凍結・破裂や漏水の履歴は、買主に伝えるべき告知事項になり得ます。隠して引き渡すと、後日の契約不適合責任につながります。修理したなら、いつどこを直したかの記録を残しておくと売却時に有利です
  • 管理されていない空き家には行政の関与がある:空き家は放置すると行政からの指導・勧告の対象になり得ます。税負担の扱いも含めて空き家と税金の記事で整理しています
  • 片づけと処分は同時に考える:家財が残ったままだと売却も解体も進みません。進め方は実家じまいの記事、解体を選ぶ場合の札幌市の補助は空き家除却の補助の記事にまとめています

「毎年の冬じまいを続ける」「賃貸に出す」「売る」「解体する」のどれが向くかは、建物の状態と、家族が今後使う予定があるかで決まります。売却を選択肢に入れるなら、まず今の価値を知ることからです。相続した不動産の売却の流れは相続した家の売却手続きの記事で解説しています。

相続した不動産の売却は、名義変更が済んでいない、共有者が複数いる、長く空き家になっているなど、通常の売却にはない手当てが必要になります。相続に絞って対応している会社であれば、登記や税務の専門家と連携したうえで、必要な手続きから売却までをまとめて相談できます。

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よくある質問

水抜きをすれば暖房は完全に切ってよいですか

水道に関しては、正しく水抜きができていれば凍結の心配は小さくなります。ただし建物側は別で、暖房を切った家は結露やカビが進みやすくなります。長期間空けるなら、換気の確保や定期的な現地確認とあわせて考えてください。

水抜きができているか、どう確かめればよいですか

水道局の手順どおり、全部の蛇口と空気入れ蛇口・水抜き用蛇口を開けて、水が完全に出なくなるまで確認するのが基本です。「ハンドルの開け閉めが不完全だと水が残る」と注意されているとおり、ハンドルは止まるまで確実に回してください。不安があれば、冬前に指定給水装置工事事業者に点検を依頼する方法もあります。

凍結の修理は火災保険で対応できますか

契約内容によります。凍結による水道管の損傷を補償する特約がある場合もあれば、対象外の場合もあり、免責金額の設定も契約ごとに異なります。まず保険証券で補償範囲を確認し、保険会社に事故内容を伝えて対象になるか確認してください。この記事で可否を断定することはできません。

まとめ

札幌で空き家や長期不在の家を冬に残すなら、12月に入る前に水抜きを終えるのが基本です。手順は水道局が公開しており、要は「全部の蛇口を開けて、水が完全に出なくなるまで確認する」こと。加えて空き家では元栓まで閉め、電動式水抜き栓の停電対策と、冬の間に一度現地を見る段取りまで用意しておくと、被害の芽を摘めます。それでも凍結させてしまったら、直火や熱湯は使わずタオルとぬるめのお湯で対処し、修繕は凍結修繕に対応する指定給水装置工事事業者へ。費用は自己負担なので、水道局が勧めるとおり複数社の見積もりを比べてください。そして毎年の冬じまいが負担になっているなら、持ち続けるか手放すかを、建物が傷む前に決めることをおすすめします。

出典:札幌市水道局「水道を凍結させないためには」「水道が凍結したら」「修繕工事・凍結修理を行う指定給水装置工事事業者」(いずれも2023年12月28日更新、確認日2026年9月6日)

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