※この記事は2026年9月3日時点の公式情報をもとにしています。最新情報は札幌市の公式ページで確認してください。
札幌市の「住宅エコリフォーム補助制度」は、窓の断熱改修や浴室・トイレの改良、手すりの新設などに、工事項目ごとの定額補助が受けられる制度です。2026年度(令和8年度)の第2回受付は9月4日(金)〜9月17日(木)。第1回は6月25日で終了しており、今年度の申請機会はこれが最後です。募集要領とパンフレットの原文をもとに、宅建士 Akira.N が要点を整理します。
結論:誰が・いつまでに・何をすればいいか
- 誰が:札幌市民(未成年を除く)で、市税を滞納しておらず、工事完了報告時にその住宅を所有または居住している人(営利法人も条件付きで可)
- いつまでに:申請書を9月17日(木)必着で郵送する(持参不可・郵送のみ)
- 何を:市内に主たる営業所がある建設業許可業者に見積もりを取り、申請書・見積書・図面・工事前写真・住民票・建物登記事項証明書をそろえて「エコリフォーム事務局」へ送る
受付期間内の申請額が予定額を超えれば9月30日(水)に抽選、超えなかった場合は11月27日(金)を最終日として先着順で受付が延長されます(出典:札幌市 パンフレット 2026年9月3日確認)。抽選の有無は締切後にしか分からないため、「必ず期間内に出す」ことが最初の前提です。
対象工事と補助額の考え方
対象工事と対象外(塗装は対象外)
補助対象は、省エネ改修とバリアフリー改修の11区分です。公式ページには「塗装工事(外壁又は屋根)を対象とした補助金はございません」と明記されており、外壁・屋根の塗り替えだけを予定している方は対象になりません(出典:札幌市公式ページ 2026年9月3日確認)。
対象工事の主なものと補助金額は次のとおりです(出典:札幌市 パンフレット「補助対象工事と補助金額について」2026年9月3日確認)。
| 区分 | 主な条件 | 補助金額 |
|---|---|---|
| 浴室の改良 | ユニットバス設置を伴う全体改修で、またぎ高さ5cm以上低下・高断熱浴槽など5条件のいずれかに該当。手すり1か所以上が条件 | 90,000円/か所 |
| 便所の改良 | 和式→洋式、節水型便器(使用水量6.5L以下)への取替えなど | 21,000円/か所 |
| 全熱交換器の設置 | 熱交換率50%以上。天井埋込形/壁掛形 | 42,000円/台 / 7,000円/台 |
| 手すりの新設 | 現状手すりのない壁面への新設に限る。長さ別 | 3,000〜9,000円/か所 |
| 段差の解消 | 段差が5mm以上低下し5mm以下になる床仕上げ改修 | 3,000〜19,000円/室 |
| 出入口の戸の改良 | 開き戸→引き戸、有効開口75cm以上への拡幅など | 15,000円/か所 |
| 窓・玄関扉の断熱改修 | 熱貫流率1.90W/(㎡・K)以下。窓は外寸面積別、玄関扉は1.6㎡以上 | 窓7,000〜20,000円/か所、玄関扉45,000円/か所 |
| 床・天井・外壁全体の断熱改修 | 戸建てのみ。部位全体を所定の熱抵抗値に適合させる工事 | 床50,000円/天井30,000円/外壁240,000円(各1戸あたり) |
このほか、階段の改良(屋内58,000円・屋外25,000円/か所)、廊下の拡幅(16,000円/か所)、玄関前スロープ(44,000円/か所)があります。一方、ガラス交換のみの窓工事、共同住宅の外窓・玄関扉、既存手すりの交換、新築・建替、中古品の使用、自分で行う工事は対象外と記載されています。
補助額の計算と上限
「工事費の○%」ではなく項目ごとの定額を積み上げる方式で、合計に次の上限がかかります(出典:札幌市 パンフレット「補助金交付額」2026年9月3日確認)。
- 補助金額の合計は、総工事費(税抜)の10%(千円未満切捨)または1申請者あたり50万円のいずれか少ない額が限度
- 申請できるのは、補助金額の合計が3万円以上、かつ総工事費(税抜)が30万円以上の工事
- 工事契約が令和8年4月1日以降で、令和9年1月31日までに完了する工事
「総工事費の10%」は見落としやすい上限です。窓の補助が合計6万円でも、総工事費(税抜)50万円なら上限は5万円です。総工事費には対象外工事も含めてよいため、まとめて依頼する工事全体の額で上限が決まります。また申請後の増額・工事追加の変更申請はできず、交付決定後に工事費が増えても上限は決定時の額のままです。見積もりの段階で内容を固めてから申請してください。
申請の流れと「着工前」の落とし穴
申請から補助金受領までの流れは次のとおりです(出典:札幌市 パンフレット「補助金交付までの流れ」2026年9月3日確認)。
- 市内の建設業許可業者に見積もりを依頼する(見積書の宛先は申請者のフルネーム)
- 工事前の写真を撮り、平面図・住民票・建物登記事項証明書(いずれも3か月以内発行、コピー不可)をそろえる
- 9月4日〜17日に申請書を郵送する(必着)
- 予定額超過なら9月30日に抽選。当選者は受付番号順に審査(2〜3か月)
- 交付決定通知書を受け取る。工事は令和9年1月末までに完了
- 工事完了報告書を、完了から2か月以内かつ令和9年3月1日までに郵送する
- 審査後、口座振込で補助金を受領
特徴的なのは、交付決定前でも工事に着手できる点です。ただしパンフレットは同じ箇所で「補助金の交付には工事前の写真が必要」で、写真によっては要件を確認できず対象外になる場合があると注意しています。落とし穴は着工の順番ではなく「工事前写真の撮り忘れ・撮り方の不備」です。手すりの位置を変えた場合も、工事前の写真がなければ対象外です。着工前に公式の「写真撮影の際の注意点」を読み、申請する全項目の改修前写真を撮っておいてください。
業者要件も要注意です。請負業者は「建設業許可を受け、札幌市内に主たる営業所を有する事業者」で、複数社と契約する場合は全社が該当する必要があります。国土交通省の建設業者検索システムで申請前に確認しておくと安心です。
第1回との違いと、抽選の考え方
対象工事・補助額・要件は第1回と同じで、違うのは日程です。
| 第1回 | 第2回 | |
|---|---|---|
| 受付期間 | 5月22日〜6月4日 | 9月4日〜9月17日 |
| 抽選日 | 6月10日 | 9月30日 |
| 受付延長の最終日 | 8月28日 | 11月27日 |
| 実際の結果 | 6月25日到着分まで受付、6月26日以降は返却 | 未定(受付前) |
(出典:札幌市 公式ページおよびパンフレット 2026年9月3日確認)
公式ページによると、第1回は6月4日の締切後も受付が続き、6月25日到着分で終了しました。要領では「期間内に申請額が予定額に達しない場合は先着順で受付を延長する」とされているため、第1回は延長受付の途中で予定額に達したと読み取れます。申込件数・倍率・予定額は公式資料に記載がないため、この記事では数字を挙げません。
第2回で押さえておきたい点は3つです。
- 第1回で落選した人も、必要書類をそろえ直せば第2回に申請できる
- 抽選があった場合、落選者への通知は行われない(結果はホームページ公開)
- 抽選がなかった場合でも、11月27日より前に予定額に達した時点で受付終了となる
第1回が延長受付だったからといって第2回も同じとは限りません。どちらに転んでも不利にならないのは「9月17日必着で出す」ことだけです。
国の制度との併用(先進的窓リノベ2026・給湯省エネ2026)
窓の断熱改修では環境省の「先進的窓リノベ2026事業」との関係が気になります。札幌市側の公式記載は次のとおりです(出典:札幌市 パンフレット「注意事項」「申請時の提出書類」2026年9月3日確認)。
- 同じ工事箇所で、他の補助事業(みらいエコ住宅2026事業、窓リノベ事業等)との重複申請はできない
- 他の補助制度も利用する場合は、見積書を別々に作成し、両方とも提出する
- 国の事業用の「性能証明書」は札幌市の制度には使用できない
札幌市側は「工事箇所を分ける」のが併用の前提です。一方、先進的窓リノベ2026の公式FAQ(2026年4月10日更新)は「国の他の補助制度との併用はできない(請負契約が別なら可)」としており、地方公共団体の制度との併用は明記されていません(出典:先進的窓リノベ2026事業 よくあるご質問 2026年9月3日確認)。組み合わせる場合は、国の事務局と札幌市のエコリフォーム事務局の双方に事前確認してください。
なお、国の制度の進捗状況は次のとおりです(出典:各事業公式サイト 2026年9月3日確認)。
- 先進的窓リノベ2026:予算に対する補助金申請額の割合(概算値)21%。補助上限は1戸あたり100万円、1申請あたりの合計補助額5万円以上が対象。交付申請は遅くとも2026年12月31日まで(予算上限に達し次第終了)
- 給湯省エネ2026:予算に対する補助金申請額の割合(概算値)41%、撤去加算分は20%。対象はエコキュート・ハイブリッド給湯機・エネファーム。交付申請は遅くとも2026年12月31日まで(予算上限に達し次第終了)
給湯器の交換は札幌市の対象工事に含まれていないため、給湯器は国、窓や浴室は札幌市、と役割分担で考えると整理しやすいです。
業者選びで失敗しないために
この制度は市内に主たる営業所がある建設業許可業者への依頼が必須で、業者要件を満たさなければ工事内容が完璧でも対象外です。さらに見積書の宛名を申請者名にする、該当項目をマーカーでチェックする、断熱材の製品名や施工厚さが分かる施工中写真を撮るなど、業者の協力なしには進まない書類が多くあります。最初の打ち合わせで「エコリフォーム補助の申請書類に対応できますか」と聞いておくと、慣れている業者かどうかが分かります。
見積もりを複数社で比較する理由は、金額の安さだけではありません。補助額の上限が「総工事費(税抜)の10%」で決まる以上、工事範囲と内訳が明確な見積書でなければ補助額の見込みすら立てられないからです。項目の分け方や数量の書き方は業者ごとに異なり、2〜3社の見積書を並べると、どこが対象工事でどこが対象外かを自分で読み取れるようになります。9月17日必着の日程を考えると、見積もり依頼は今週中に動き出すのが現実的です。
同じ工事でも、会社によって見積もり額は2〜3割変わることがあります。先に相場を知っておくと、提示された金額が妥当かどうか自分で判断できます。
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問い合わせ先
提出・問い合わせの窓口は「エコリフォーム事務局」です(出典:札幌市公式ページ 2026年9月3日確認)。
- 提出先・問い合わせ先:〒060-0003 札幌市中央区北3条西3丁目1番地 札幌北三条ビル8階 一般財団法人北海道建築指導センター「エコリフォーム事務局」
- 電話:011-206-1899(平日9時〜17時、12時〜13時を除く。土日祝、12月29日〜1月4日は休み)
- メール:sa-ecorefo@hokkaido-ksc.or.jp
- 制度所管:札幌市都市局市街地整備部住宅課 011-211-2807
申請は郵送のみで、期間外に到着した申請書はすべて返却されます。「必着」は投函日ではなく到着日で判断されます。制度内容は変更される場合があるため、申請前に札幌市の公式ページとパンフレットの最新版でご確認ください。
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