空き家となっている実家は、家族にとって大きな負担となります。空き家を売る・貸す・住むの3つの選択肢がありますが、どれが最適なのか悩むことが多いようです。結論を先に述べると、空き家の処分方法は、物件の状態、立地、市場動向、家族のニーズなど多くの要因に依存します。本記事では、空き家の費用相場、手順、選び方、注意点について解説します。
空き家の費用相場
空き家の処分方法には、売却、貸し付け、リノベーションによる売却や貸し付けなどがあります。費用相場は以下の通りです。
| 項目 | 費用目安 | 備考 |
|---|---|---|
| 売却時の諸費用 | 売買価格の4〜6%程度 | 仲介手数料(売買価格×3%+6万円+消費税が上限)、印紙税、登記費用など |
| リノベーション費用 | 一般的な目安で500万円~2,000万円 | リノベーションの内容や物件の状態によって変動 |
金額は物件の状態・工事の範囲・依頼先で大きく変わります。売却時の諸費用は「売買価格の何%か」で見積もり、リノベーション費用は必ず現地を見てもらったうえで複数社から取ってください。相場を地域名でひとくくりにした金額は、判断の材料になりません。
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手順・進め方
空き家の処分方法を選ぶ際の手順は以下の通りです。
- 物件の状態を調べる:空き家の状態、立地、市場動向を調べます。具体的には、空き家の年齢、築年数、面積、間取り、周辺環境などを調べます。
- 家族のニーズを確認する:家族の希望や予算を確認します。具体的には、家族の生活スタイル、収入、支出、将来の計画などを調べます。
- 専門家に相談する:不動産会社や宅建業者に相談します。具体的には、物件の価値を評価したり、リノベーションの計画を立てたりします。
売却を考えているなら、まず不動産会社に査定を依頼します。周辺の成約事例をもとにした根拠つきの価格を出してもらい、そのうえで売り出し価格を決めます。リノベーションして活用するなら、現地を見てもらったうえで工事範囲と概算を出してもらい、売却した場合の手取りと比べて判断します。順番を逆にしないことが大切です。
失敗しないためのコツ
実際の現場では、空き家の処分方法を選ぶ際に、以下の点に注意することが重要です。
札幌のような寒冷地では、空き家の管理が特に重要です。空き家が長期間放置されると、雨漏りやシロアリによる被害などが発生することがあります。定期的な点検やメンテナンスを実施することが大切です。例えば、空き家の屋根の点検や、壁の剥がれの修理などを定期的に行う必要があります。
また、空き家の処分方法を選ぶ際には、税金の影響も考慮する必要があります。売却して利益が出た場合は譲渡所得として課税されます。相続した空き家を売る場合、一定の要件を満たせば「被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」が使えることがあります。ただし要件が細かく、年度によって内容も変わるため、必ず税務署か税理士にご確認ください。なお、リノベーション費用そのものが還付されるという制度はありません。省エネ改修や耐震改修などで所得税の控除を受けられる場合はありますが、これも要件を満たしたときに限られます。
よくある質問
空き家を売る場合、どのような手続きが必要ですか?
空き家を売る場合、以下の手続きが必要です。まず、物件の価値を不動産会社に評価してもらいます。次に、売却のために必要な書類を準備し、不動産登記を完了させます。また、売却の際には、諸費用(仲介手数料、抵当権抹消の登録免許税、固定資産税の精算金など)が発生します。具体的には、以下の手続きが必要です。
- 物件の価値を評価する
- 売却のために必要な書類を準備する
- 不動産登記を完了させる
- 諸費用を支払う
空き家を貸す場合、どのような準備が必要ですか?
空き家を貸す場合、以下の準備が必要です。まず、物件の状態を調べ、必要な修理やリノベーションを実施します。次に、家賃や契約条件を決定し、入居者を募集します。また、家主としての責任を負うため、不動産管理会社に管理を任せることもできます。具体的には、以下の準備が必要です。
- 物件の状態を調べる
- 必要な修理やリノベーションを実施する
- 家賃や契約条件を決定する
- 入居者を募集する
- 不動産管理会社に管理を任せる
空き家をリノベーションする場合、どのような点に注意する必要がありますか?
空き家をリノベーションする場合、以下の点に注意する必要があります。まず、リノベーションの目的や予算を明確にします。次に、専門家に相談し、リノベーションの計画を立てます。また、リノベーションの際には、許可や届け出が必要になる場合がありますので、事前に確認する必要があります。具体的には、以下の点に注意する必要があります。
- リノベーションの目的や予算を明確にする
- 専門家に相談する
- リノベーションの計画を立てる
- 許可や届け出を確認する
費用は工事の範囲で大きく変わります。水回りだけを入れ替えるのか、間取りから変えるのか、断熱や耐震まで手を入れるのかで桁が変わるため、まず「どこまでやるか」を決めてから見積もりを取ってください。とくに札幌では、断熱と暖房設備の扱いが金額を左右します。
実家・空き家のご相談で、実際に多い分かれ道
道外にお住まいの方から、札幌市内で空き家となったご実家の相談を受けたことがあります。冬場の雪下ろしや水道の凍結(水落とし)の管理が難しく、これ以上維持できないという切実なご事情でした。更地にして売却するかリノベーションして貸し出すか比較検討し、最終的にはご家族の負担が最も少ない売却を選ばれました。
まとめ
空き家の処分方法を選ぶ際には、物件の状態、立地、市場動向、家族のニーズなど多くの要因を考慮する必要があります。以下の点を確認しましょう。
- 物件の状態を調べる
- 家族のニーズを確認する
- 専門家に相談する
物件やリフォームの最終的なご判断は、必ず不動産会社・施工会社に直接ご確認ください。
4つの選択肢を、判断材料で並べる
「どれが得か」は物件ごとに変わりますが、何が手元に残り、何が続くのかを並べると、消せる選択肢が先に見えてきます。
| 選択肢 | 手元に残るもの | 引き渡し後も続く負担 | 向いているケース |
|---|---|---|---|
| そのまま売る | 売却代金が一度に入る | なし(引き渡しで終わる) | 遠方に住んでいて管理に通えない。早く現金化したい |
| 貸す | 毎月の家賃 | 固定資産税、修繕費、空室のリスク、管理委託料 | 建物が使える状態で、その地域に賃貸の需要がある |
| リノベーションして使う | 住まい、または事業に使える建物 | 改修費の返済と、住宅としての維持費 | 立地に価値があり、家族の誰かが使う予定がある |
| 解体して土地にする | 更地 | 解体費と、住宅用地特例が外れた後の土地の固定資産税 | 建物の傷みが激しく、建物付きでは買主がつかない |
「置いておけば税金が安い」は、もう成り立ちません
建物が建っている土地は、住宅用地特例によって固定資産税の課税標準が下がります(200㎡以下の部分は6分の1、200㎡を超える部分は3分の1)。この差が「壊さずに置いておく」理由になっていました。
ただし2023年12月に施行された改正空家法で、放置すれば特定空家等になるおそれがある建物が「管理不全空家等」として新たに位置づけられました。勧告を受けると、特定空家等と同じように敷地の住宅用地特例が解除されます。以前は著しく傷んだ「特定空家等」の段階まで進まなければ税負担は変わりませんでしたが、その手前で外れる仕組みになっています。空き家を維持するなら、草木や外壁、屋根の状態を含めた管理が前提になったということです。
相続した空き家を売るなら、期限のある特例があります
相続した空き家を売る場合、被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの3,000万円特別控除を使える可能性があります。主な要件は、家屋が昭和56年5月31日以前に建築されていること、相続の開始があった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ること、売却代金が1億円以下であること、相続から譲渡までの間に事業・貸付け・居住に使っていないことなどです。
注意点は2つあります。ひとつは期限があること——迷っている間に3年が過ぎると使えなくなります。もうひとつは、令和6年1月1日以後の譲渡では、被相続人居住用家屋を相続した相続人が3人以上の場合、控除額が1人あたり2,000万円に下がることです。適用できるかどうかは個別の事情で変わるため、売却の段取りを決める前に税務署か税理士に確認してください。
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