札幌市の耐震改修補助金【2026年度】9月11日締切・最大140万円と無料耐震診断

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札幌市には、古い木造住宅の耐震化を支援する「札幌市木造住宅耐震改修工事等補助事業」があります。2026年度(令和8年度)の申込期限は令和8年9月11日(金)。補助限度額は最大140万円で、補助率は8/10です。

そして同じ9月11日が、この補助を受けるための前提になる「無料耐震診断」の第3期受付の締切日でもあります。2つの締切が同じ日に重なっているのが、2026年度のいちばん重要なポイントです。

この記事では、札幌市が公開している令和8年度の公式ページとパンフレットをもとに、補助額の計算方法、対象になる住宅の条件、手続きの順番を整理しました。空間デザイナー×宅建士の視点でまとめています。

まず結論:9月11日は「2つの締切」が重なる日

制度2026年度の締切内容
木造住宅耐震改修工事等補助事業令和8年9月11日(金)まで
(受付開始は4月1日)
耐震設計・耐震改修工事の費用を補助。最大140万円
木造住宅耐震診断員派遣事業(無料耐震診断)第3期:令和8年9月1日(火)~9月11日(金)札幌市が耐震診断員を無料で派遣。診断費用は札幌市が負担

順番としては「無料耐震診断 → 上部構造評点1.0未満と判定される → 耐震改修の補助を申請」という流れになります。診断を受けていない状態では改修補助の申請ができません。

さらに補助金交付申請は「必ず設計に着手(契約)する前」に行う必要があり、申請から交付決定までは2週間~1か月程度かかるとパンフレットに記載されています。加えて「申し込んだ年度に工事まで終わる必要があります」という条件もあります。工事完了報告の期限は2027年3月12日(金)です。

つまり今から動くなら、逆算のスケジュールがかなりタイトになるということです。すでに診断を済ませている方は9月11日までに申請を、これから診断を受ける方は今年度の改修補助に間に合うかを事前相談で確認しておくのが確実です。

補助額はいくら?補助率8/10・最大140万円

この制度は「工事費の何割」と「限度額」の低いほうの額が補助金になります。パンフレットの表現では「補助対象費用に補助率を乗じた額と、補助限度額の低い方が補助金額です」となっています。

補助メニュー改修前の評点改修後の評点補助率補助限度額
通常型1.0未満1.0以上8/10140万円
段階改修型・1段階目0.7未満0.7以上1.0未満8/1080万円
段階改修型・2段階目0.7以上1.0未満1.0以上8/1060万円

補助率8/10というのは、公的な住宅補助としてはかなり高い水準です。たとえば耐震改修工事費が150万円(税抜)なら、8/10で120万円。限度額140万円より低いのでこちらが補助額になります。工事費が200万円なら8/10で160万円ですが、限度額の140万円が上限です。

  • パッケージ型の補助対象費用は「耐震改修工事費(設計費を除く)」で算出します
  • 補助対象費用は消費税等相当額を除き、千円未満を切り捨てた額です
  • 過年度に耐震設計費のみの補助を受けている場合は、耐震改修工事のみの補助制度(補助率1/3・限度額80万円)が利用できます(別途相談)

また、工事までは踏み切れないという場合には耐震設計のみの補助もあります。補助率2/3で、限度額は戸建て10万円・共同住宅/長屋20万円。設計のみの補助を使った場合、翌年度以降に耐震改修工事のみの補助制度を利用できます。

対象になる住宅の条件(8つすべてを満たすこと)

札幌市の公式ページでは、次の8つすべてに該当する住宅が対象と定められています。

  1. 札幌市内にある木造の戸建住宅、長屋、共同住宅
  2. 昭和56年(1981年)5月31日以前に建築されたもの
  3. 在来軸組構法で建てられたもの(柱・梁などを組み合わせて骨組みをつくる工法)
  4. 地上階数が3以下で、木造部分の階数が2以下のもの
  5. 建物の延べ面積の2分の1以上を住宅として利用しているもの
  6. 耐震診断の結果、上部構造評点が1.0未満であると診断されたもの
  7. 過去に本事業による補助金の交付を受けていないもの
  8. 建築基準法第6条に定める建築基準関係規定に適合しているもの(=検査済証が交付されていること。昭和56年以前の住宅では検査済証が見つからないことが多く、実務上いちばんの関門です)

申請できるのは補助対象住宅の所有者で、札幌市の市税を滞納していない方、暴力団員および暴力団関係事業者に該当しない方が対象です。

そしてもう1つ重要な条件があります。補助の対象となる耐震設計・耐震改修工事(工事監理を含む)は、札幌市木造住宅耐震診断員が行ったものに限られます。普段お付き合いのある工務店に頼めばよい、という制度ではありません。ここは事前相談の段階で必ず確認しておくべきポイントです。

なお、耐震診断時に重大な地盤・基礎に関する注意事項の指摘がある場合には、その改善を行うことが条件になります。

「上部構造評点」の読み方

上部構造評点は、住宅の耐震性を数値で表したものです。震度6から7前後の大きな地震に対して、建築物が倒壊する可能性を判定します。

上部構造評点耐震性の評価補助制度での扱い
1.5以上倒壊しない
1.0以上1.5未満一応倒壊しない改修後の目標値(通常型・段階改修2段階目)
0.7以上1.0未満倒壊する可能性がある補助対象(段階改修1段階目の改修後の目標値でもある)
0.7未満倒壊する可能性が高い補助対象(段階改修型の起点)

診断結果が1.0未満なら補助の対象になります。0.7未満と診断された住宅は、いきなり1.0以上を目指すと工事費が跳ね上がることがあるため、まず0.7以上へ、次に1.0以上へという「段階改修型」が用意されています。1段階目80万円+2段階目60万円で合計140万円と、通常型の限度額と同じ設計になっている点も押さえておきたいところです。

前提になる「無料耐震診断」の受付期間

補助を受けるには耐震診断の結果が必要です。札幌市は耐震診断員を無料で派遣する事業を行っており、診断にかかる費用は札幌市が負担します。

受付期期間(令和8年)
第1期4月1日(水)~4月17日(金)※終了
第2期5月7日(木)~5月22日(金)※終了
第3期9月1日(火)~9月11日(金)

診断の対象になる住宅の条件は改修補助とほぼ同じですが、評点の条件がない点(まだ診断していないため)と、「過去に本事業による派遣、または補助金の交付を受けて耐震診断を実施していないもの」という条件が加わります。

申込方法は、申請書に建築年と延べ面積がわかる書類(登記事項証明書または確認済証・検査済証の写し)本人確認書類の写しを添えて、札幌市役所本庁舎2階8番窓口へ提出するか郵送します。

なお札幌市の補助金や診断員の派遣制度を利用せずに耐震診断をした方は、必ず事前相談が必要とパンフレットに明記されています。すでに民間で診断を受けている場合は、その診断結果が使えるかどうかを先に確認してください。

エコリフォーム補助制度との併用ができる

札幌市のパンフレットには、住宅エコリフォーム補助制度(最大50万円)との併用が可能と明記されています。ただし「補助の対象となる工事箇所を明確に区分できる場合に限ります」という条件付きです。

この組み合わせは、実務上とても理にかなっています。耐震改修工事では外装材を撤去して筋交いを入れたり構造用合板を張って壁を補強するため、そのタイミングで断熱材を入れ替えれば、足場や解体の費用を二重に払わずに済みます。札幌市自身もエコリフォーム制度のパンフレットで、この組み合わせを推奨しています。

エコリフォーム補助制度は第2回受付が令和8年9月4日(金)~9月17日(木)です。耐震補助の締切(9月11日)とほぼ重なっているため、両方を使うつもりなら書類の準備は同時進行になります。詳しくは札幌市のリフォーム補助金【2026年度】第2回受付は9月の記事にまとめています。

よくある質問

Q. 築何年なら対象になりますか?

建築年で判定します。昭和56年(1981年)5月31日以前に建築されたものが対象です。1981年6月に建築基準法の新耐震基準が施行されたためで、「築45年」といった年数ではなく建築時期そのもので線が引かれています。登記事項証明書や確認済証で建築年を確認してください。

Q. 診断を受けたら必ず工事しなければいけませんか?

いいえ。耐震診断員派遣事業は無料で診断を受けられる制度で、その後の改修は任意です。ただし診断で上部構造評点1.0未満と判定された場合、その結果は改修補助を申請するための前提資料になります。工事までは踏み切れない場合は、補助率2/3・戸建て限度額10万円の耐震設計のみの補助を利用し、翌年度以降に工事の補助を使うという段取りもあります。

Q. いつも頼んでいる工務店に工事を依頼できますか?

補助の対象となる耐震設計・耐震改修工事(工事監理を含む)は札幌市木造住宅耐震診断員が行ったものに限られます。診断員として札幌市に登録されているかどうかが条件になるため、依頼予定の会社がある場合は事前に確認してください。なお耐震診断を行った方と耐震設計を行う方を変えることは可能ですが、いずれも札幌市の木造住宅耐震診断員である必要があります。

Q. 工事が年度をまたいでも大丈夫ですか?

できません。パンフレットには「申し込んだ年度に工事まで終わる必要があります」と明記されており、工事完了報告の期限は2027年3月12日(金)です。9月11日に申請して交付決定まで2週間~1か月、そこから設計と工事という日程になるため、規模の大きい改修ほど早めの相談が必要になります。

Q. マンションでも使えますか?

対象は木造の戸建住宅・長屋・共同住宅です。鉄筋コンクリート造や鉄骨造のマンションはこの制度の対象外です。木造の共同住宅であれば、地上階数3以下・木造部分の階数2以下などの条件を満たす場合に対象になり得ます。

Q. 申請の窓口はどこですか?

耐震改修補助の申請は札幌市役所本庁舎2階8番窓口(札幌市中央区北1条西2丁目)です。所管は札幌市都市局建築指導部建築安全推進課(本庁舎2階・011-211-2867)で、無料耐震診断の申込先も同課の支援事業担当です。なお本庁舎7階の市街地整備部住宅課(011-211-2807)は住宅エコリフォーム補助制度の窓口で、耐震の窓口ではありません。

札幌の住宅事情から見たポイント

札幌で昭和56年以前に建てられた木造住宅は、耐震性だけでなく断熱性能も現在の基準からは大きく離れていることがほとんどです。ご相談を受けていても、「寒い」「暖房費が高い」という入口から話が始まり、壁を開けてみて初めて構造の状態が分かるというケースは珍しくありません。

だからこそ、耐震改修とエコリフォームの併用が現実的な選択肢になります。壁を開ける工事は一度きりにしたい。そのタイミングで断熱材を入れ、必要なら窓も替える。補助率8/10の耐震補助と、最大50万円のエコリフォーム補助を両方使えれば、自己負担はかなり圧縮できます。

一方で、この制度は札幌市の耐震診断員が設計・工事監理を行うことが条件という点で、依頼先が限られます。制度の細部をご自身で把握する必要はありませんが、「札幌市の耐震改修補助を使いたい」と最初に伝えて、対応できる会社かどうかを確認することが最初の一歩になります。リフォーム会社を比較するときも、補助金の申請実績があるかどうかは必ず聞いておきたい項目です。

まとめ

  • 2026年度の申込期限は令和8年9月11日(金)。無料耐震診断の第3期受付(9月1日~9月11日)と同じ日
  • 補助率は8/10、限度額は通常型で140万円。段階改修型は1段階目80万円・2段階目60万円
  • 対象は昭和56年5月31日以前に建てられた在来軸組構法の木造住宅で、上部構造評点1.0未満と診断されたもの
  • 耐震診断の費用は札幌市が負担(無料)
  • 設計・工事監理は札幌市木造住宅耐震診断員が行うことが条件
  • 申請は必ず設計に着手(契約)する前に。交付決定まで2週間~1か月程度
  • 年度をまたぐ工事は不可。工事完了報告は2027年3月12日(金)まで
  • 住宅エコリフォーム補助制度(最大50万円)と併用可能。工事箇所を明確に区分できる場合に限る

出典: 木造住宅の耐震設計・耐震改修工事の費用補助(札幌市公式・2026年6月15日更新)木造住宅の無料耐震診断(札幌市公式・2026年6月15日更新)札幌市木造住宅耐震化補助制度のご案内(PDF)

制度の内容は変更される場合があります。金額・期間・要件は申請前に必ず公式ページとパンフレットの最新版でご確認ください。物件やリフォームの最終的なご判断は、必ず不動産会社・施工会社に直接ご確認ください。

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