リノベーションの間取り変更|抜ける壁の見分け方と、費用を比べる前に決めること

リノベーションの間取り変更|抜ける壁の見分け方と、費用を比べる前に決めることリフォーム・リノベの費用

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間取りを変えたい、という相談で最初に決まるのは予算ではありません。その壁が抜けるかどうかです。ここが決まらないうちに費用を調べても、前提が違えば数字は意味を持ちません。

この記事では、抜ける壁と抜けない壁の見分け方、マンションと戸建てで何が変わるか、水回りを動かすときに効いてくる制約を順に整理します。金額は建物の状態と施工範囲で大きく動くため書きません。判断の順番が決まってから見積もりを取ってください。

抜ける壁と抜けない壁は、構造で決まる

「間仕切りだから壊せる」とは限りません。建て方によって、壁の役目がまったく違います。

木造の在来軸組工法

柱と梁で支える造りです。柱の間に入っている壁のうち、筋かいが入っている壁や、構造用合板が張られている壁は耐力壁で、地震や風に対して建物を支えています。ここは原則として抜けません。抜く場合は、別の場所に耐力壁を足すなどの補強とセットになります。

柱にも種類があります。1階から2階まで通っている通し柱は動かせません。階ごとに立っている管柱は、上の荷重を受け直す梁を入れられれば抜ける場合があります。

木造の枠組壁工法(2×4)

壁そのもので建物を支える造りです。間取り変更の自由度は在来工法よりかなり低いと考えてください。開口を広げられる範囲も限られます。中古で2×4の住宅を買って大きく間取りを変えるつもりなら、購入前に構造図面の有無を確認しておくことをおすすめします。

鉄筋コンクリート造

マンションで分かれ目になるのがここです。柱と梁で支えるラーメン構造なら、戸境壁や躯体を除く間仕切りは比較的動かせます。一方、壁で支える壁式構造は、室内の壁でも抜けないものがあります。低層のマンションに多い造りです。

図面がなくても、壁を叩いた音や柱型の出っ張りである程度は見当がつきます。ただし最終判断は図面と現地調査です。ここを「たぶん大丈夫」で進めると、解体してから計画が止まります。

マンションは「どこまでが自分のものか」から始まる

マンションの間取り変更では、構造の前に所有の線引きがあります。区分所有法上、躯体・玄関ドア・サッシ・パイプスペース内の共用配管などは共用部分で、専有部分ではありません。室内側にあっても勝手に触れないものがあります。

そして多くのマンションでは、管理規約で専有部分のリフォームについて事前の届出や承認、工事内容の書面提出が求められます。床材の遮音等級に下限が定められていることも珍しくありません。着工してから規約違反が判明すると、原状回復を求められる可能性があります。

順番としては、図面を見るより先に管理規約と使用細則を取り寄せるのが確実です。中古を検討中なら、契約前に写しを求められます。

水回りは「排水が流れる方向」にしか動かせない

キッチンや浴室の位置を変えたいという要望は多いのですが、排水は自然の勾配で流れています。横引きの配管は下り勾配を確保できる範囲でしか伸ばせません。床下や二重床の高さが足りなければ、そもそも動かせないか、床を上げるしかなくなります。

マンションでは、スラブに下がりがある部分とない部分で条件が変わります。戸建てでも、床下の高さと基礎の立ち上がりが制約になります。「動かせるかどうか」は間取りの好みではなく、床下にどれだけ余裕があるかで決まると考えてください。

札幌ではさらに条件が加わります。給水管の引き回しには寒冷地固有の規定があり、キッチンを大きく動かす場合は水道局への手続きが必要になることもあります。冬季には道路の掘削にも制限がかかります。詳しくは札幌でキッチンを対面化する費用と落とし穴で、札幌市水道局の指針をもとに整理しています。

実際の進め方

  1. 図面を集める。戸建てなら確認申請の副本と構造図、マンションなら竣工図。無い場合は現地調査の比重が上がります
  2. マンションは管理規約と使用細則を読む。届出の要否、遮音等級、工事可能な曜日と時間帯
  3. 現地で構造を確認する。抜ける壁、動かせない設備、床下の余裕
  4. ここまで固めてから間取り案を作る。順番を逆にすると作り直しになります
  5. 複数社に同じ条件で見積もりを依頼する。条件が揃っていない見積もりは比較できません

3番までを飛ばして図面だけ先に描くと、たいてい途中で組み直しになります。急がば回れが効く工事です。

見積もりを比べるときに見るところ

間取り変更は工種が多く、どこまでを含むかで金額が大きく変わります。次の項目が明記されているかを確認してください。

  • 解体で出る廃材の処分費を含むか
  • 電気・給排水の移設をどこまで見ているか
  • 天井・壁・床の復旧範囲(一部か、部屋全体か)
  • 補強が必要だった場合の扱い(別途か、含むか)
  • マンションなら養生と搬入経路の費用

特に4番目です。解体してみないと分からない部分を「別途」と書いてある見積もりは、そこが後から乗ります。安く見えていた会社が最終的に高くなる、という食い違いはたいていここから生まれます。

よくある質問

図面が見つからないのですが、間取り変更はできますか

できないわけではありませんが、調査の比重が上がり、解体後に計画変更が起きる可能性も高くなります。マンションなら管理組合が竣工図を保管していることがあるので、まず問い合わせてみてください。戸建てなら、建てた工務店や設計事務所に残っている場合があります。

壁を抜けないと言われました。ほかに手はありますか

壁そのものを残したまま、開口を設けたり、上部だけを抜いて視線を通したりする方法があります。完全な一体空間にはなりませんが、閉塞感はかなり変わります。「抜けない=諦める」ではなく、どこまでなら触れるかを設計者と詰めてください。

工事中は住み続けられますか

範囲によります。水回りを止める期間があるか、粉塵の出る解体がどれくらい続くかで判断が変わります。仮住まいが必要かどうかは費用にも直結するので、見積もりの段階で工程表と一緒に確認しておいてください。

まとめ

  1. 費用より先に、その壁が抜けるかを構造から確かめる
  2. マンションは区分所有法上の共用部分と、管理規約の制約が先に来る
  3. 水回りは排水の勾配と床下の余裕で動かせる範囲が決まる
  4. 図面・規約・現地調査を済ませてから間取り案を作る
  5. 見積もりは「別途」と書かれた項目を必ず潰してから比べる

間取り変更は、決めごとの順番さえ間違えなければ、途中で止まりにくい工事です。逆に順番を飛ばすと、解体してから計画をやり直すことになります。

同じ工事でも、会社によって見積もり額は2〜3割変わることがあります。先に相場を知っておくと、提示された金額が妥当かどうか自分で判断できます。

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