2026年のリフォーム補助金は、前年から中身が大きく入れ替わりました。国の主力事業が新しくなり、長く使われてきた制度のひとつは今年度実施されません。古い情報のまま計画を立てると、あてにしていた補助が受けられないということが起こります。
この記事は2026年8月3日時点で、札幌・北海道にお住まいの方が実際に使える制度を、国・道・市の順に整理したものです。数字はすべて各事業の公式サイトと札幌市のパンフレットに記載された値です。
まず押さえる:2026年に変わったこと
- 「子育てグリーン住宅支援事業」は終了。リフォームの交付申請は2025年12月31日で受付を終えました。後継が「みらいエコ住宅2026事業」です。
- 「長期優良住宅化リフォーム推進事業」は令和8年度は実施されません。公式サイトに明記されています。この制度を前提にした計画は立てられません。
- 国の省エネ4事業は「住宅省エネ2026キャンペーン」として継続。ただし2025年事業で補助を受けた窓や機器は2026年事業の対象外です。
- 札幌市住宅エコリフォーム補助制度の第1回受付は5月22日〜6月4日で終了済み(抽選日6月10日)。残るは第2回(9月4日〜9月17日)です。
1. 国の制度——「住宅省エネ2026キャンペーン」
補助額は工事や製品ごとの定額で決まります。「工事費の半分が戻る」といった補助率の制度ではありません。ここを誤解している方が非常に多いところです。
みらいエコ住宅2026事業(リフォーム)
2026年に新設された事業です。平成28年12月31日以前に新築された住宅が対象で、補助上限は住宅がいつ建てられたかと、どの基準まで断熱するかで決まります。
| 住宅の新築時期 | 義務基準相当まで改修 | 次世代省エネ基準相当まで改修 |
|---|---|---|
| 〜平成3年 | 100万円/戸 | 50万円/戸 |
| 平成4年〜平成28年 | 80万円/戸 | 40万円/戸 |
必須工事があり、外気に面する窓のある1つの居室(トリガールーム)で、開口部の断熱+躯体の断熱+高効率給湯器や高効率エアコンの設置、という組み合わせが求められます。これに加えてバリアフリー改修、防災性向上改修、子育て対応改修などを上乗せできます。
交付申請の受付は2026年6月30日から。締切は遅くとも2026年12月31日ですが、予算に達した時点で終了します。8月3日時点の予算執行率は2%で、まだ余裕があります。
先進的窓リノベ2026事業
環境省の事業で、1戸あたり上限100万円。予算は1,125億円です。対象はガラス交換、内窓設置、外窓交換、ドア交換。内窓の設置は1箇所あたり22,000円〜152,000円と、性能とサイズで単価が変わります。
札幌では最も使い勝手のよい制度です。8月3日時点の執行率は15%。交付申請は2026年3月31日から始まっています。
給湯省エネ2026事業
エコキュート7万円/台、ハイブリッド給湯機10万円/台、エネファーム17万円/台が基本額で、性能に応じてエコキュートは3万円、ハイブリッドは2万円が加算されます。
北海道の方に効くのが撤去加算です。電気蓄熱暖房機の撤去は1台4万円(2台まで)、電気温水器の撤去は1台2万円。古い蓄熱暖房機が残っているお宅は、給湯器の入れ替えと同時に検討する価値があります。執行率は34%と4事業で最も進んでいるので、検討中なら早めに動いたほうがよいでしょう。
これら3事業はいずれも登録事業者を通じた申請が必須で、消費者が直接申請することはできません。工事を頼む会社が登録事業者かどうかを、契約前に確認してください。
▶ 関連記事:給湯器交換の費用相場と2026年の補助額
既存住宅の断熱リフォーム支援事業(環境省)
意外と知られていませんが、執行団体が札幌市中央区の公益財団法人北海道環境財団という、道内の方には身近な制度です。
- 補助率:補助対象経費の1/3以内
- 上限:戸建住宅で120万円/戸(玄関ドア5万円を含む)
- 要件:暖冷房エネルギーの削減率が15%以上見込めること
- 対象:断熱材(天井・外壁・床)、窓・ガラス。塗料は対象外
- 令和8年6月公募の受付:2026年6月22日〜8月21日17時(メール必着)
- 交付決定通知日以降に着工すること。先に工事を始めると補助されない場合があります
上の3事業と違い、こちらは所有者・居住者本人が申請します。「補助率1/3」というかたちなので、大規模な断熱改修をするなら金額が大きくなりやすい制度です。
2. 北海道(道)の制度
北海道は「住まいのゼロカーボン化推進事業」を実施していますが、これは補助を行う市町村を道が支援する仕組みで、道のページにも「道民や事業者の方は直接申請できません」と明記されています。札幌市は令和7年度の活用市町村一覧に含まれていません。
つまり札幌市民にとっては、道の制度を直接あてにすることはできません。国と札幌市の制度で組み立てることになります。
3. 札幌市の制度
札幌市住宅エコリフォーム補助制度
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 上限 | 総工事費(税抜)の10%、または50万円のいずれか少ない額 |
| 下限 | 補助金額の合計3万円以上、かつ総工事費(税抜)30万円以上 |
| 対象工事 | 浴室・便所・階段の改良、段差解消、廊下の拡幅、手すり新設、出入口の戸の改良、玄関前スロープ、全熱交換器の設置、窓・玄関扉の断熱改修、床/屋根・天井/外壁全体の断熱改修 |
| 第2回受付 | 2026年9月4日(金)〜9月17日(木)(抽選日9月30日、延長最終日11月27日) |
| 申請方法 | 郵送のみ(必着)。エコリフォーム事務局(一般財団法人北海道建築指導センター) |
| 着工 | 交付決定前に着工できます(工事前写真が必須/令和8年4月1日以降の契約) |
| 施工業者 | 建設業許可があり、札幌市内に主たる営業所を有する事業者 |
主な補助単価は、浴室全体改修90,000円/か所、便器取替え21,000円/か所、窓の断熱改修(熱貫流率1.90以下)7,000〜20,000円、玄関扉45,000円/か所、外壁全体断熱240,000円/戸など。外壁や屋根の塗装は対象外です。
第1回で落選した方は第2回に再申請できます。同一住宅・同一市民につき年度ごとに1回限りです。
札幌市木造住宅耐震化補助制度
昭和56年5月31日以前に建てられた木造住宅が対象です。
- 耐震診断員の派遣は無料(費用は札幌市が負担)。第3期の受付は2026年9月1日〜9月11日
- 耐震設計+耐震改修工事(通常型):補助率8/10、限度額140万円
- 段階改修型:1段階目 8/10・80万円、2段階目 8/10・60万円
- 木造住宅除却工事補助(耐震化補助とは別事業):「除却工事費」と「延べ面積×47,800円」のうち低い額の23%以内・限度額30万円。申込期間は2026年4月20日〜9月25日
- 申請受付:2026年4月1日〜9月11日。先着順、予算に達し次第終了
- 完全な事前申請制。交付決定通知前に設計契約、設計確認通知前に工事契約をすると補助が受けられません
エコリフォーム制度とは、工事箇所を明確に区分できれば併用できます。
▶ 関連記事:札幌市の無料耐震診断と補助額の詳細
そのほか札幌市の制度
- 再エネ省エネ機器導入補助金——太陽光20,000円/kW(上限13万9千円)、蓄電池16,000円/kWh(上限6万4千円)、エネファーム8万円、地中熱ヒートポンプ20万円、ペレットストーブ5万円。第2回募集は2026年9月1日〜11月4日
- 危険空家等除却補助——通常型1/3(上限50万円)、地域連携型9/10(上限150万円)
- 介護保険の住宅改修費——基準額20万円まで(通年・各区役所保健福祉課)
- 融雪施設設置資金の融資あっせん——300万円まで無利子。ただし令和8年度は融資枠(25件程度)に達したため2026年6月30日で受付終了。次年度分の受付開始は2027年4月下旬の予定です
なお札幌版次世代住宅補助制度は新築のみで、リフォームには使えません。
併用のルール——ここでつまずく人が多い
- 同じ工事箇所で二重取りはできません。窓リノベ2026とみらいエコ住宅2026は併用できますが、同じ1つの窓で両方から補助を受けることはできません。
- 国費が入っている自治体制度は、国の事業と併用できません。住宅省エネ2026キャンペーンの公式サイトに明記されています。
- 自治体の制度でも、国費が充当されていないものは併用可能とされています。
- 札幌市エコリフォームは「みらいエコ住宅2026事業、窓リノベ事業等との重複申請はできません」としています。工事箇所を明確に区分できる場合に限り併用可です。
実務的には、窓は国の窓リノベ、水回りやバリアフリーは札幌市エコリフォームというように箇所で分けるのが現実的な組み立て方です。
着工のタイミングは制度ごとにバラバラ
ここが最も事故が起きやすいポイントです。「補助金は着工前に申請するもの」と一律に覚えていると失敗します。
| 制度 | 着工のルール |
|---|---|
| みらいエコ住宅2026/窓リノベ2026/給湯省エネ2026 | 2025年11月28日以降の着工が条件。申請は工事完了後でも可 |
| 既存住宅の断熱リフォーム支援事業(環境省) | 交付決定通知日以降に着工 |
| 札幌市エコリフォーム | 交付決定前に着工できる(工事前写真が必須) |
| 札幌市木造住宅耐震化 | 完全な事前申請制。決定前の契約は補助対象外 |
補助金と減税の関係
補助金を受け取った場合、減税の計算では補助金の額を差し引いた金額が基礎になります。国税庁も省エネ改修の控除について「補助金等の交付を受ける場合はその額を控除した額」としています。
住宅ローン減税の「工事費100万円超」という要件も、補助金を差し引いた後の金額で判定されます。補助金を引いた結果100万円を下回れば、ローン控除は使えません。補助金と減税は足し算ではなく、片方がもう片方の計算に影響します。
なお、補助金を受け取った場合の税務上の取扱い(一時所得に当たるかどうか)については、公式に明示された一次情報が見当たりません。確定申告の際に所轄税務署へご確認ください。
よくある質問
Q. 「補助金で工事費の半分が戻る」と言われました。本当ですか?
A. 国の主力事業(みらいエコ住宅2026・窓リノベ2026・給湯省エネ2026)は工事や製品ごとの定額制で、補助率という考え方がありません。札幌市エコリフォームも上限は総工事費の10%です。「半額」に近いのは札幌市の耐震改修(8/10)など個別の制度に限られ、一般化できません。
Q. 長期優良住宅化リフォーム推進事業は使えますか?
A. 令和8年度は実施されません。公式サイトに明記されています。令和7年度の交付申請も2025年11月14日で締め切られました。後継事業の有無は公表されていません。
Q. 外壁の塗装に補助金は出ますか?
A. 出ません。札幌市エコリフォームは塗装工事を対象外としており、環境省の断熱リフォーム支援事業も「塗料は補助対象になりません」としています。断熱材の施工や窓の交換であれば対象になります。
Q. 自分で申請できますか?
A. 制度によります。国の省エネ3事業は登録事業者を通じた申請が必須で、消費者が直接申請することはできません。一方、札幌市エコリフォームは市民本人が郵送で、環境省の断熱リフォーム支援事業も本人がメールで申請します。
Q. 予算はまだ残っていますか?
A. 2026年8月3日午前0時時点の執行率は、みらいエコ住宅2026(リフォーム)2%、先進的窓リノベ2026が15%、給湯省エネ2026が34%です。数字は日々更新されるため、申請前に各事業の公式サイトでご確認ください。
札幌市の制度の申請手順や必要書類は、札幌市のリフォーム補助金【2026年度】で詳しく解説しています。
まとめ
- 国の補助は定額制。「工事費の半分」という制度ではない
- 長期優良住宅化リフォーム推進事業は令和8年度は実施されない。古い情報に注意
- 窓は先進的窓リノベ2026(上限100万円)が最も使いやすい
- 電気蓄熱暖房機の撤去に1台4万円の加算あり。北海道では見逃せない
- 札幌市エコリフォームは第2回 9月4日〜9月17日。第1回はすでに終了
- 札幌市の耐震改修は補助率8/10・上限140万円だが完全な事前申請制
- 着工のタイミングのルールは制度ごとに違う。ここが最も事故が多い
補助金は「工事を決めてから探す」ものではなく、使える制度から工事の順番と時期を組み立てるものです。特に札幌市エコリフォームは年2回しか受付がありません。9月の第2回を狙うなら、8月中に見積もりを揃えておく必要があります。
※本記事は2026年8月3日時点の各事業公式サイト・札幌市公表資料に基づきます。予算執行状況や受付期間は変動しますので、申請前に必ず公式サイトでご確認ください。
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