中古住宅購入の諸費用について宅建士が解説
中古住宅を購入する際には、物件価格以外にも様々な費用がかかります。中古住宅購入の費用について、宅建士の視点から解説します。
中古住宅購入でかかる諸費用(公式値)
中古住宅購入の費用には、以下のようなものがあります。
| 費用が変わる要因 | 見積もりで確認すること |
|---|---|
| 工事の範囲 | どこまで含むか。含まない部分はどこか |
| 下地・既存の状態 | 解体後に補修が出る条件と、その場合の扱い |
| 製品のグレード | 選んだ品番と仕様。オプションが本体に含まれるか |
| 付帯工事・諸経費 | 養生・廃材処分・出張費が一式に含まれるか |
| 工期と時期 | 着工と完了の時期。札幌は積雪期に着工できない工事がある |
| 保証 | 年数・対象・書面の有無 |
上記の費用は一般的な目安であり、実際の費用は物件や立地によって異なります。
同じ工事でも、会社によって見積もり額は2〜3割変わることがあります。先に相場を知っておくと、提示された金額が妥当かどうか自分で判断できます。
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手順・進め方
中古住宅購入の手順は以下の通りです。
- 物件の選定
- 物件の検査
- 購入価格の交渉
- 契約書の作成
- 登記手続き
中古住宅購入には、様々な手続きが必要です。宅建士の指導を受けることで、スムーズに手続きを進めることができます。
失敗しないためのコツ
中古住宅購入において失敗しないためのコツは、以下の通りです。
実際の現場では、中古住宅購入の際には、物件の状態や立地を十分に調べることが重要です。また、購入価格の交渉も重要であり、不動産会社との交渉では、宅建士の指導を受けることで、有利な条件を交渉することができます。
諸費用は「契約時・決済時・入居後」の3回に分けて資金計画に入れる
中古住宅の諸費用で失敗するパターンの多くは、金額の見積もり違いではなく「支払う時期」の読み違いです。手付金と印紙税は契約時、登記費用・仲介手数料の残金・ローン事務手数料は決済時、不動産取得税と固定資産税は入居後に請求が来ます。それぞれの根拠となる公式の税率・税額を、時期ごとに整理します。
| 支払う時期 | 費目 | 公式値(出典) |
|---|---|---|
| 契約時 | 売買契約書の印紙税 | 契約金額1,000万円超〜5,000万円以下は軽減後1万円、5,000万円超〜1億円以下は3万円(軽減措置は2027年3月31日までに作成する契約書が対象。国税庁 No.7108) |
| 決済時 | 所有権移転登記の登録免許税 | 本則は不動産価額の2%。住宅用家屋の要件を満たすと0.3%(2027年3月31日まで)、土地の売買は1.5%の軽減税率が国税庁の税額表に記載(国税庁 No.7191) |
| 決済時 | 抵当権設定の登録免許税 | 住宅取得資金の借入れなら債権額の0.1%(2027年3月31日まで。国税庁 No.7191) |
| 登記後およそ3か月 | 不動産取得税(北海道) | 土地・住宅とも税率3%(2027年3月31日までの取得)。宅地は価格が2分の1に軽減。納税通知書は土地・既存家屋の場合、所有権移転登記からおよそ3か月後に送付(北海道 総務部財政局税務課) |
| 翌年以降毎年 | 固定資産税・都市計画税(札幌市) | 固定資産税は課税標準額×1.4%、都市計画税は市街化区域内で0.3%。納期は4月・7月・9月・12月の4回(札幌市) |
不動産取得税には既存住宅向けの控除があり、北海道の案内では新築時期が平成9年4月以後の住宅で1,200万円、平成元年4月〜平成9年3月なら1,000万円が住宅の価格から差し引かれます。適用には「1982年1月1日以後に新築された住宅であること」または「取得日前2年以内に耐震基準への適合が証明されていること」が条件です。1981年以前の築古物件を検討する場合、この控除が使えるかどうかで入居後の手残りが変わるため、契約前に確認申請日と耐震証明の有無を売主側に確認してください。
手順としては、契約金額から上の表の税額を自分で一度計算し、不動産会社の「諸費用概算書」と突き合わせます。概算書に不動産取得税と翌年の固定資産税が載っていないことは珍しくなく、そこを足しておかないと、入居後の冬に納税通知書と暖房費が同じ月に重なります。
800万円以下の中古戸建は仲介手数料の「特例」を先に確認する
2024年7月1日施行の国土交通大臣告示の改正で、「低廉な空家等」の媒介報酬の特例が拡大されました。対象となる物件価格は従来の400万円以下から800万円以下に広がり、報酬の上限額は19万8千円から33万円(税込)に引き上げられています。改正前は売主側からしか受け取れなかったこの特例が、買主からも受け取れるようになった点が、買う側にとっての変更点です。
ただし、この上限を請求するには「媒介契約の締結に際しあらかじめ、この規定に定める上限の範囲内で、報酬額について依頼者に対して説明し、合意する」ことが条件になっています。つまり、媒介契約書に説明と合意の記録がないまま33万円を請求されたら、根拠を尋ねてよい場面です。逆に、説明を受けて合意していれば、通常の計算式より高い額でも適法です。
札幌市内でも郊外や築40年超の戸建では、土地建物合計で800万円を下回る売り物件が実際に出ます。失敗例は、「物件価格×3%+6万円」で手数料を見込んでいたのに、媒介契約時に特例の説明を受けて合意し、想定より十数万円多い請求になったというものです。媒介契約書に署名する前に「この物件は低廉な空家等の特例の対象か」「対象なら報酬額はいくらか」を書面で確認するのが手順になります。
札幌の中古戸建は「雪の費用」を諸費用の外側に用意しておく
本州の諸費用リストには載らないものの、札幌の中古戸建で入居直後に現金が必要になるのが除雪と融雪の設備です。前の所有者が使っていた融雪槽やロードヒーティングは、熱源機の寿命や配管の劣化で入居初年度に入替が必要になることがあり、その費用は物件価格にも住宅ローンにも含まれません。
札幌市には「融雪施設設置資金融資あっせん制度」があり、敷地内に設置する固定式の融雪槽・融雪機・ロードヒーティング(熱源はガス・灯油・電気・地下水を問わず、既存施設の入替工事も対象)に対して最大300万円まで無利子で融資を受けられます。金融機関の無担保融資のため保証料は別途かかります。注意したいのは受付時期で、令和8年度は4月22日に受付が始まり、融資枠に達したため6月30日で受付を終了しています。秋に引き渡しを受けてから申し込もうとしても、その年度は間に合わないことがあるという実例です。
手順としては、内覧時に融雪設備の型式と設置年を確認し、入替が必要そうなら決済時期を春に寄せて融資あっせんの受付開始(翌年度は4月下旬の予定)に合わせるか、自己資金で数十万円から百万円台の幅を別枠で確保しておくかを、契約前に決めておくことをおすすめします。
出典(いずれも2026年9月4日確認):国税庁 No.7108 不動産の譲渡等に係る契約書の印紙税の軽減措置(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/inshi/7108.htm)/国税庁 No.7191 登録免許税の税額表(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/inshi/7191.htm)/北海道 不動産取得税(https://www.pref.hokkaido.lg.jp/sm/zim/tax/fudou01.html)/北海道 不動産取得税の軽減措置(耐震基準適合既存住宅)(https://www.pref.hokkaido.lg.jp/sm/zim/keigen/keigen202.html)/札幌市 固定資産税(https://www.city.sapporo.jp/citytax/syurui/kotei_toshi/koteishisan.html)/札幌市 都市計画税(https://www.city.sapporo.jp/citytax/syurui/kotei_toshi/toshikeikaku.html)/不動産流通推進センター 低廉な空家等の売買等の媒介報酬の特例(改正)(https://www.retpc.jp/archives/30292/)/札幌市 融雪施設設置資金融資あっせん制度(https://www.city.sapporo.jp/kensetsu/yuki/yuusetsu.html)
よくある質問
中古住宅購入の費用はどう計算するのですか?
中古住宅購入の費用は、物件価格、登記費用、印紙税、仲介手数料、検査費用などを含みます。費用の計算は、物件や立地によって異なります。
中古住宅購入の手順はどうなっているのですか?
中古住宅購入の手順は、物件の選定、物件の検査、購入価格の交渉、契約書の作成、登記手続きの順です。
中古住宅購入の際には、どのような点に注意する必要がありますか?
中古住宅購入の際には、物件の状態や立地を十分に調べることが重要です。
出典: No.7140 印紙税額の一覧表(国税庁)/No.7191 登録免許税の税額表(国税庁)
まとめ
中古住宅購入の費用について解説しました。中古住宅購入には、様々な費用がかかりますが、宅建士の指導を受けることで、スムーズに手続きを進めることができます。物件やリフォームの最終的なご判断は、必ず不動産会社・施工会社に直接ご確認ください。
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