【デザイン実例】モルタル×古材のインダストリアルリノベ|空間デザイナー×宅建士のこだわり

【デザイン実例】モルタル×古材のインダストリアルリノベ|空間デザイナー×宅建士のこだわり中古住宅・マンション購入

※本記事にはプロモーションが含まれます

今回は、私が空間デザイナー×宅建士としてデザインに関わった、中古マンションのインダストリアルリノベーション実例をご紹介します。テーマは「モルタル×古材×光」。素材の質感を主役にした、カフェのようにくつろげるLDKです。

モルタル調の壁と古材アクセントウォールのインダストリアルなLDK
モルタル調の壁×古材のTV背面壁。ライティングレールのスポットで陰影をつくる

この実例のデザインコンセプト

ベースは灰色のモルタル調壁と現しの天井。無機質になりがちなインダストリアルテイストに、レザーソファ・古材・グリーンといった「経年変化を楽しめる素材」を重ねて、温度感のバランスを取っています。店舗デザインで培った照明計画——多灯分散とスポットライトの角度づけ——を住宅に持ち込んだのがポイントです。

コンクリート現し天井とライティングレールのLDK全景
天井は躯体現し。昼は窓からの自然光、夜はレールライトで表情が変わる
ペンダントライトと板張りアクセントウォールのリビング
キッチン側から見たリビング。ガラスシェードのペンダントが柔らかい光をつくる

ディテールに宿るこだわり

空間の印象は、実は「小さな部材」で決まります。この実例では、毎日手に触れるパーツにこそ素材感のあるものを選びました。

塗り壁に取り付けた真鍮のトグルスイッチプレート
スイッチは真鍮のトグル式。塗り壁の質感と経年変化を楽しむ組み合わせ
ブラックのグースネック水栓とステンレスシンク
キッチン水栓はマットブラックのグースネック。空間の色数を絞るための選択
黒いメッシュパーテーション越しに見るエジソンランプの灯り
間仕切りは黒のメッシュ。視線は抜けつつ、光の粒が重なって見える

水回りはダークトーンで統一

ダークトーンでまとめた浴室のリノベーション実例
浴室は黒×グレージュの大判パネル。間接照明で高級感を出したユニットバス

浴室はダークトーンのユニットバスを採用。壁面の間接照明ラインが、ホテルライクな落ち着きをつくります。ダーク系は水垢が目立ちやすい面もあるため、掃除のしやすい素材・形状を選ぶのが実務的なコツです。

この実例から使えるアイデア

  • 色数を「グレー・黒・木・グリーン」の4つに絞ると空間がまとまる
  • 照明は1灯で照らさず、スポット+ペンダントの多灯分散で陰影をつくる
  • スイッチ・水栓など毎日触れる部材こそ素材感のあるものを選ぶ
  • ダークトーンの水回りは「掃除のしやすさ」もセットで検討する

同じようなリノベーションを検討する場合、工事範囲や下地の状態によって費用は大きく変わります。まずは複数社の見積もりで、やりたいことと予算のバランスを掴むのがおすすめです。

費用の目安(一般的な相場)

費用の相場観を下表に示します。数字はあくまで一般的な目安であり、実際は建物の規模や仕様により変動します。詳細は見積もりでご確認ください。

項目費用目安備考
モルタル調壁面の工事50〜200万円面積や施工方法による
古材のテレビ背面壁30〜100万円材質やサイズによる
ライティングレールの設置20〜80万円照明器具の種類や設置場所による
ユニットバスの設置150〜500万円機種や設置方法による
内装工事の一式500〜2000万円住居の規模や仕様による

モルタル調の壁は「3つの作り方」で費用も仕上がりも変わります

同じ「モルタル調」でも、工法によって費用と質感がまったく違います。予算を決める前に、どの作り方を指しているのかを業者と揃えておく必要があります。

工法費用目安(1平方メートルあたり)特徴
塗装で表現(モルタル調塗料)5,000〜10,000円最も安い。凹凸は少なく平滑寄りの仕上がり
左官仕上げ(モルタル・微塗材)10,000〜18,000円鏝跡の表情が出る。職人の技量差が大きい
モルタル造形20,000円〜質感を作り込める。面積が広いと高額になる

モルタル系の仕上げは、ひび割れ(クラック)が起こりうる素材です。下地の動きに追従させるための下地処理(シーラー、メッシュの伏せ込み)を省くと、数年で目立つ亀裂が出ることがあります。見積もりを見るときは、仕上げ材の単価だけでなく下地処理が含まれているかを確認してください。

古材と現し天井で見落としやすい条件

  • 内装制限:キッチンのコンロまわりは、建築基準法により内装の仕上げ材に制限がかかる場合があります。古材や木仕上げをどこまで使えるかは、住戸の規模と火気使用室の扱いで変わるため、設計の段階で確認が必要です。
  • 古材の反りと虫害:再利用材は含水率が安定していないことがあり、施工後に反りが出ることがあります。屋内で使う場合も、防虫処理の有無を確認しておくと安心です。
  • 天井を現しにすると音が響きます:吸音材がなくなるぶん生活音が反射しやすくなります。ラグ、カーテン、本棚など、吸音に効く家具の計画とセットで考えます。
  • 札幌では天井断熱の位置に注意:最上階や戸建てで天井を現しにすると、断熱層の位置が変わります。屋根断熱に切り替える設計にしないと、冬の寒さと夏の熱こもりが出ます。

黒とマットな素材を選ぶときの、掃除のリアル

マットブラックの水栓、黒いタイル、鉄のパーテーションは、いずれも空間を引き締める一方で、水垢と埃が目立ちやすい素材でもあります。

  • マットブラックの水栓は、水滴が乾いた跡(白い水垢)が最も目立ちます。使用後に拭き取る習慣が前提になります。
  • 黒い床タイルは埃が白く浮きます。面積を絞って使うか、目地色を調整すると軽減できます。
  • 鉄やアイアンは、結露する場所に使うと錆びます。窓際や水まわりでは塗装の仕様を確認してください。

毎日触れる部材ほど素材感を優先するという方針は有効ですが、その素材が10年後にどう見えるかまで含めて選ぶと、後悔が減ります。見た目の完成度とメンテナンスの手間は、設計の段階でしか調整できません。

この空間をつくったときの判断

モルタルと古材を組み合わせたインダストリアル空間の施工では、素材の質感表現と予算配分のメリハリが最大のポイントになります。職人が一塗りずつ仕上げる本モルタルの金鏝(かなごて)仕上げは、経年で入るクラックも味わいとして活きる反面、工期とコストがかかります。

そこでこの事例では、リビングのテレビ背面のアクセントウォールとキッチンカウンターの天板など、視線が集まる場所だけに本モルタルを集中的に採用しました。その他の壁面にはモルタル調のクロスを活用することで、全体の雰囲気を損なわずに約35万円のコストダウンを実現しています。質感をどこまで追求し、どこで引き算をするか。この判断が全体の完成度を左右します。

よくある質問

インダストリアルリノベーションに適した壁のデザインは何ですか?

インダストリアルリノベーションには、モルタル調の壁やコンクリート調の壁がよく使用されます。これらの壁は、インダストリアルな雰囲気を醸し出します。ただし、無機質になりがちなので、レザー素材や古材を組み合わせて温度感のバランスを取ることが重要です。

インダストリアルリノベーションで照明計画のポイントは何ですか?

インダストリアルリノベーションの照明計画では、多灯分散とスポットライトの角度づけが重要です。天井にレールライトを設置して、昼は自然光、夜は人工光で表情を変えることができます。また、ガラスシェードのペンダントライトも柔らかい光を出すのに適しています。

インダストリアルリノベーションで水回りをデザインする際の注意点は何ですか?

インダストリアルリノベーションで水回りをデザインする際には、ダークトーンのユニットバスや黒×グレージュの大判パネルを使用することができます。ただし、ダーク系の材料は水垢が目立ちやすいので、掃除のしやすい素材や形状を選ぶことが大切です。間接照明も高級感を出すために重要です。

まとめ

インダストリアルテイストは「素材選び」と「照明計画」で仕上がりが決まります。デザインの参考になれば嬉しいです。物件やリフォームの最終的なご判断は、必ず不動産会社・施工会社に直接ご確認ください。

▶ あわせて読みたい: リフォーム一括見積もりサービス比較|宅建士が選ぶ失敗しない使い分け

中古住宅・マンション購入
空間デザイナー×宅建士 Akira.Nをフォローする
ATORINO【アトリノ】

コメント

タイトルとURLをコピーしました