札幌でリフォームを検討しているなら、必ずチェックしておきたいのが「札幌市住宅エコリフォーム補助制度」です。2026年度(令和8年度)の第1回受付はすでに終了しましたが、第2回の受付期間は令和8年9月4日(金)から9月17日(木)まで(郵送のみ・必着)と札幌市が公表しています。
この記事では、札幌市が公開している令和8年度のパンフレットをもとに、工事ごとの補助金額の一覧まで含めて整理しました。ネット上の解説記事では金額まで書かれていないことが多く、また「着工前に交付決定を受けないといけない」という誤った説明も見かけますので、そのあたりも正確なところをお伝えします。空間デザイナー×宅建士の視点でまとめています。
札幌市住宅エコリフォーム補助制度の概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 正式名称 | 札幌市住宅エコリフォーム補助制度(令和8年度) |
| 補助額 | 工事ごとに定められた補助金額の合計。ただし総工事費(税抜)の10%(千円未満切捨)または1申請者あたり50万円のいずれか少ない額が上限 |
| 最低要件 | 補助金額の合計が3万円以上、かつ総工事費(税抜)が30万円以上 |
| 工事の時期 | 令和8年4月1日以降に工事契約を締結し、令和9年1月31日までに完了する工事 |
| 施工業者の条件 | 建設業許可を受け、札幌市内に主たる営業所を有する事業者(複数業者と契約する場合は全社が条件を満たす必要あり) |
| 申請者の条件 | 申請時に札幌市民(未成年を除く)で、市税の滞納がないこと。完了報告時に対象住宅を所有または居住していること |
| 申請方法 | 郵送のみ(必着)。エコリフォーム事務局(一般財団法人北海道建築指導センター)宛 |
ここで見落とされがちなのが、「総工事費の10%」という上限です。工事ごとの補助金額を足し上げても、総工事費(税抜)の10%を超える分は出ません。逆に言えば、50万円満額を受け取るには税抜500万円以上の工事規模が必要という計算になります。
【重要】第2回受付スケジュール(2026年度)
| 項目 | 日程 |
|---|---|
| 第2回受付期間 | 令和8年9月4日(金)~9月17日(木)※郵送のみ・必着 |
| 抽選日(予定) | 9月30日(水) |
| 抽選がなかった場合の受付延長最終日 | 11月27日(金) |
| 工事完了の期限 | 令和9年1月31日まで |
| 完了報告書の提出期限 | 令和9年3月1日(月)まで(郵送・必着)かつ工事完了から2か月以内 |
なお第1回受付の抽選に落選した方も、第2回に申請できます。必要書類を揃えて、期間内に改めて郵送してください。
いくらもらえる?工事ごとの補助金額の一覧
この制度は「工事費の何%」ではなく、工事の種類ごとに定額で補助金額が決まっています。札幌市が公開している令和8年度パンフレットの内容を整理しました。
断熱・省エネに関する工事
| 工事の内容 | 補助金額 |
|---|---|
| 窓の断熱改修(外寸面積 0.2㎡以上1.6㎡未満) | 7,000円/か所 |
| 窓の断熱改修(外寸面積 1.6㎡以上2.8㎡未満) | 13,000円/か所 |
| 窓の断熱改修(外寸面積 2.8㎡以上) | 20,000円/か所 |
| 玄関扉の断熱改修(外寸面積 1.6㎡以上) | 45,000円/か所 |
| 外壁全体の断熱改修(熱抵抗値 4.0(㎡・K)/W 以上) | 240,000円/戸 |
| 床全体の断熱改修(熱抵抗値 3.3(㎡・K)/W 以上) | 50,000円/戸 |
| 屋根または天井全体の断熱改修(熱抵抗値 5.7(㎡・K)/W 以上) | 30,000円/戸 |
| 全熱交換器の設置(天井埋込形・システム換気タイプ) | 42,000円/台 |
| 全熱交換器の設置(壁掛形・個別換気タイプ) | 7,000円/台 |
金額が突出しているのが外壁全体の断熱改修で、240,000円/戸です。他の項目とは桁が違います。床全体(50,000円)、屋根または天井全体(30,000円)と比べても差が大きく、外壁を触る予定があるなら、この制度を使えるかどうかで総額がかなり変わります。
窓の断熱改修は熱貫流率1.90W/(㎡・K)以下が条件で、サッシ枠とガラスをトータルで評価した性能である必要があります。ガラス交換のみは対象外、共同住宅の外窓・玄関扉も対象外です。パンフレットには適合例として「樹脂サッシ+Low-E複層ガラス(ガス入り・空気層16mm)」「既存のアルミサッシ単板ガラス+樹脂サッシの内窓(複層ガラス ガス入り・空気層12mm)」が挙げられています。
床・屋根・外壁の断熱改修は戸建住宅のみが対象で、部位全体を基準の熱抵抗値に適合させる工事が条件です。断熱材の種類と厚さの仕様例として、床全体なら住宅用グラスウール24K(0.038W/(m・K))で135mm、天井全体なら吹込み用グラスウール(0.052W/(m・K))で300mmが示されています。
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水まわり・バリアフリーに関する工事
| 工事の内容 | 補助金額 |
|---|---|
| 浴室の全体改修(ユニットバス設置を伴うもの) | 90,000円/か所 |
| 便器の取替え(和式→洋式、節水型便器への交換など) | 21,000円/か所 |
| 便所の床面積の増加 | 21,000円/か所 |
| 屋内階段の改良 | 58,000円/か所 |
| 屋外階段(玄関アプローチ)の改良 | 25,000円/か所 |
| 玄関前スロープの設置 | 44,000円/か所 |
| 廊下の拡幅(5cm以上拡幅し有効幅員78cm以上) | 16,000円/か所 |
| 出入口の戸の改良(引き戸への変更など) | 15,000円/か所 |
| 手すりの新設(150cm未満) | 3,000円/か所 |
| 手すりの新設(150cm以上300cm未満) | 5,000円/か所 |
| 手すりの新設(300cm以上) | 9,000円/か所 |
| 段差の解消(6㎡以上の居室) | 19,000円/室 |
| 段差の解消(洗面・脱衣室、6㎡未満の居室) | 9,000円/室 |
| 段差の解消(便所) | 3,000円/室 |
| 見切り撤去のみ(段差解消のため) | 1,000円/か所 |
浴室の全体改修はユニットバス設置を伴うものが前提で、「内寸面積が0.2㎡以上増加」「浴槽のまたぎ高さが5cm以上低下」「入口段差が5mm以上低下し段差5mm以下になる」「タイル床から滑りにくい床へ改修」「高断熱浴槽へ改修」のいずれかに該当することが条件です。加えて改修後に壁面へ手すりが1か所以上設置されていることが共通条件になっています(浴槽内の手すりは含まない)。
手すりについては注意点があります。対象は「現状手すりがない壁面への新設」に限られ、既存手すりの交換は対象外です。また浴室全体改修に伴う浴室内の手すり新設は、浴室改修の補助金額に含まれているため併用できません。
※上記は令和8年度パンフレットに基づく2026年8月時点の内容です。各工事には細かい適合条件があり、ここに書ききれていない要件もあります。申請前に必ず札幌市の公式ページとパンフレットの原文をご確認ください。
【誤解が多い】交付決定前に工事を始めてもかまいません
この制度でいちばん誤解されているのがここです。ネット上には「申請と交付決定を着工前に済ませる必要がある」という説明が見られますが、札幌市のパンフレットには「補助金交付決定前に工事に着手できます」と明記されています。
ただし条件があります。
- 補助金の交付には「工事前の写真」が必要です。写真の撮り方によっては補助要件を満たすことが確認できず、対象外になる場合があります
- パンフレットの「写真撮影のポイント」を必ず確認してから撮影すること
- 申請そのものは受付期間内(第2回は9月4日~9月17日)に郵送する必要があります
つまり「交付決定を待たなくても着工できるが、写真だけは着工前に正しく撮っておかないと後戻りできない」というのが正確なところです。ここを誤解して工事を止めてしまうと、令和9年1月31日という完了期限に間に合わなくなる可能性があります。
【誤解が多い】必ず抽選になるわけではありません
「第2回は抽選方式」と断定している解説も見かけますが、これも正確ではありません。パンフレットの原文はこうなっています。
- 受付期間内に申請額が予定額を超えた場合は、抽選を行う
- 超えなかった場合は、受付期間を延長して予定額に達するまで先着順で受け付ける(延長最終日は11月27日。それより前でも予定額に達した時点で終了)
抽選の有無と結果は札幌市のホームページで公開されます。当選者にのみ通知が届き、落選者への通知は行われません。この点も知らないと、通知を待ち続けてしまうことになります。
対象にならない工事・ケース
- 新築や建替
- 転売目的のリフォーム工事
- 自ら行う工事、工事費(材料費含む)がかからない工事(見積書に「手すりサービス」「支給品」などの記載がある場合を含む)
- 中古品の使用
- 建物登記事項証明書の権利部(甲区)に仮差押えなど処分の制限の登記がある場合、未登記建物など所有が明確に確認できない場合
- 建築基準法に違反している住宅
- 同じ工事箇所での他の補助事業との重複申請(みらいエコ住宅2026事業、先進的窓リノベ2026事業など)
なお外壁や屋根の塗装工事は、そもそも補助対象工事の一覧に含まれていません。「断熱改修」として認められるのは部位全体を規定の熱抵抗値に適合させる工事であり、塗装はこれに該当しないためです。遮熱塗料であっても同様です。
ほかの制度と併用できる?
札幌市のパンフレットには、「補助の対象となる工事箇所を明確に区分できる場合は、併用可能となります」と書かれています。逆に言えば、同一の工事箇所での併用はできません。
| 制度 | 内容 | 問い合わせ先 |
|---|---|---|
| 札幌市木造住宅耐震化補助制度 | 昭和56年5月31日以前に建てられた木造の戸建住宅・長屋・共同住宅が対象。耐震診断は無料、耐震改修工事は最大140万円を補助 | 札幌市都市局建築指導部建築安全推進課 011-211-2867 |
| 再エネ省エネ機器導入補助金制度 | 太陽光発電、定置用蓄電池、エネファーム、ペレットストーブ、地中熱ヒートポンプなどの導入費用の一部を補助 | 札幌市環境局環境都市推進部環境エネルギー課 011-211-2872 |
| 国の制度 | みらいエコ住宅2026事業、先進的窓リノベ2026事業など。同じ工事箇所では重複申請不可。両方を使う場合は見積書を別々に作成し、両方を提出する必要がある | 各事業の事務局 |
パンフレットでは耐震改修との組み合わせが特に推奨されています。耐震改修工事では外装材を撤去して筋交いや構造用合板で壁を補強するため、そのタイミングで断熱材を入れ替えれば、足場や解体の手間を二重に払わずに済むという理屈です。築45年以上の住宅なら、この組み合わせを最初に検討する価値があります。耐震補助の詳細(補助率8/10・最大140万円、申込期限は9月11日)は札幌市の耐震改修補助金【2026年度】の記事にまとめました。
実際の現場感覚では、内窓(二重サッシ)の設置は札幌の住宅と特に相性が良い工事です。暖房費と結露に効くうえ、補助制度の対象にもなりやすい定番メニューです。
補助の対象になるかどうかは工事の内容によって決まりますが、申請が滞りなく進むかどうかは業者の経験に左右されます。見積もりの段階で「札幌市のエコリフォーム補助を使いたい」と伝え、対応実績のある会社を比較しておくと安心です。
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よくある質問
Q. 申請は自分でするのですか?
申請者は工事を行う本人ですが、書類の多くは施工業者の協力が必要です。工事見積書は該当する項目をマーカーでチェックしたうえで提出する決まりになっており、平面図・間取り図や工事箇所の写真も求められます。補助金の申請サポートに慣れた業者を選ぶと、書類集めがスムーズになります。
Q. 市外の業者やフランチャイズでも大丈夫ですか?
条件は「建設業許可を受け、札幌市内に主たる営業所を有する事業者」です。全国展開の会社でも、札幌市内に主たる営業所があるかどうかで判断が変わります。複数の業者と契約する場合は全社が条件を満たす必要があります。建設業許可の有無と主たる営業所の住所は、国土交通省の「建設業者・宅建業者等企業情報検索システム」で調べられます。
Q. 賃貸マンションでも使えますか?
対象は住宅を所有または居住している方で、分譲マンションの専有部分の改修は対象になり得ますが、賃貸の場合は所有者側の手続きになります。なお共同住宅の外窓・玄関扉の断熱改修は対象外、床・屋根・外壁全体の断熱改修は戸建住宅のみが対象です。管理規約の確認も必要です。
Q. 抽選に外れたらどうなりますか?
その回の補助は受けられません。落選者への通知は行われず、結果は札幌市のホームページで公開されます。工事を急ぐ場合は、国の先進的窓リノベ2026事業やみらいエコ住宅2026事業が使えないか業者に相談してみましょう。
Q. 補助金はいつ振り込まれますか?
工事完了後に完了報告書を提出し、審査を経てからの振込になります。完了報告書は令和9年3月1日(月)までの郵送(必着)と、工事完了から2か月以内の両方を満たす必要があります。交付決定時点ですでに工事が完了している場合は、交付決定を受けた日から2か月以内です。
札幌で申請サポートをして気づいたポイント
札幌で実際に補助金を使ったリフォームのご相談を受ける中で、つまずきやすいと感じるのは必要書類、とくに工事前の写真です。着工してしまってから「写真を撮っていなかった」「撮ったが要件を確認できる角度ではなかった」というケースは珍しくありません。交付決定前に着工できる制度だからこそ、ここが実務上の分かれ目になります。
寒冷地の札幌では断熱・窓・暖房まわりの相談が特に多く、制度をうまく使えるかで総額が大きく変わる場面を何度も見てきました。制度の細部をご自身で把握する必要はありませんが、申請を任せられる業者を選ぶことは重要です。補助制度に対応していない業者もあるため、見積もりの段階で「札幌市のエコリフォーム補助を使いたい」と伝え、申請の可否と工事前写真の撮影を依頼できるかを確認しておくと安心です。
まとめ
- 2026年度の第2回受付は9月4日(金)~9月17日(木)、郵送のみ・必着。抽選日は9月30日(水)の予定
- 必ず抽選になるわけではない。申請額が予定額を超えなければ、11月27日まで延長して先着順に切り替わる
- 交付決定前に工事に着手できる。ただし工事前の写真が必須で、撮り方を誤ると対象外になり得る
- 補助額は工事ごとの定額。外壁全体の断熱改修が240,000円/戸で突出。ただし総工事費(税抜)の10%と50万円が上限
- 最低要件は補助金額の合計3万円以上・総工事費(税抜)30万円以上
- 施工業者は札幌市内に主たる営業所がある建設業許可業者に限られる。複数契約なら全社が条件を満たすこと
- 塗装工事は補助対象工事の一覧に含まれていない
- 工事完了は令和9年1月31日まで、完了報告は令和9年3月1日まで
- 迷ったらエコリフォーム事務局(011-206-1899)へ確認を
出典: 札幌市住宅エコリフォーム補助制度(札幌市公式・2026年6月25日更新)/令和8年度 札幌市住宅エコリフォーム補助制度 パンフレット(PDF)
制度の内容は変更される場合があります。金額・期間・要件は申請前に必ず公式ページとパンフレットの最新版でご確認ください。物件やリフォームの最終的なご判断は、必ず不動産会社・施工会社に直接ご確認ください。
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