【2026年7月第4週】札幌の新店・閉店・再開発まとめ|新築マンション供給843戸の衝撃と街の入れ替わり

【2026年7月第4週】札幌の新店・閉店・再開発まとめ|新築マンション供給843戸の衝撃と街の入れ替わり中古住宅・マンション購入

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札幌の街は毎週動いています。新しい店ができ、長く続いた店が閉まり、その裏では再開発と分譲マンションの計画が進んでいる。この連載では、店舗デザインの現場と宅建士の実務、両方の視点から「札幌の街でいま何が起きているか」を毎週まとめます。

単なる開店・閉店リストではありません。その動きが不動産にとって何を意味するかまで踏み込みます。第1回は2026年7月13日〜26日の動きです。

今週の3行まとめ

  • すすきのに「ホリデイ・イン エクスプレス札幌すすきの」が7月17日開業。宿泊需要の南5条西6丁目シフトが鮮明に
  • 閉店は駅前一等地・地下街の物販が中心。飲食の新規開業は活発なままで、業態による明暗がはっきり分かれた
  • 札幌の新築分譲マンション供給は2025年に843戸まで縮小(1988年の統計開始以来はじめて1,000戸割れ)。2026年以降の完成予定は17物件1,138戸

新店オープン情報(2026年7月13日〜26日)

今回の期間で確認できた新規開店・移転開店は以下の通りです。

日付業種店名所在地
7/13カフェL’arlequin by CAPSULE MONSTER豊平区美園12条7丁目
7/13ジンギスカン成吉思汗だだ中央区南7条西2丁目 豊水ビル1階
7/13ピラティスピラティススタジオDEP 札幌店 Rouage 北24条スタジオ北区北24条西4丁目 内海ビル3階
7/15ピラティスPilates COCO西区琴似1条1丁目
7/15スープカレースープカレー奥芝商店 奥’clock中央区北1条西2丁目 札幌時計台ビル地下1階
7/15バー中央区南5条西3丁目 N・グランデビル2階
7/15ジンギスカンらむすけ 別邸中央区南3条西2丁目 N・ヴィコロビル1階
7/15ジンギスカン炭焼ジンギスカン 狸九中央区南3条西9丁目 ビラ・アペックス札幌狸小路39 地下1階
7/16ケーキ(移転)YUHIA SWEETREE手稲区稲穂2条6丁目
7/16ゲーム駿河屋 新札幌店DUO店厚別区厚別中央2条5丁目 新さっぽろduo-1 4階
7/16下着tutuanna イオンモール札幌苗穂店東区東苗穂2条3丁目 イオンモール札幌苗穂2階
7/16カラオケカラオケの鉄人 コラボミックス 札幌すすきの店中央区南3条西4丁目 シルバービル4階
7/17ホテルホリデイ・イン エクスプレス札幌すすきの中央区南5条西6丁目14-1
7/17カレーMohan Dish 新琴似店北区新琴似8条1丁目
7/17バーBar Tug-B Susukino中央区南4条西3丁目 第3グリーンビル7階
7/17クレープ穂と麦中央区南1条西22丁目 ケイキ円山1階
7/19ラーメン麺匠 りんどう中央区南4条西4丁目 LC拾五番館1階
7/20麻辣湯福恩麻辣湯 イオンモール札幌苗穂店東区東苗穂2条3丁目 イオンモール札幌苗穂2階
7/20餃子よいち餃子大王 麻生店北区北40条西5丁目
7/21コンビニローソン 札幌北1条西七丁目店中央区北1条西7丁目 S-BUILDING札幌大通北1階
7/24とんかつかつや 札幌石山2条店南区石山2条7丁目
7/25カフェTHE BUTTER中央区北2条西4丁目 赤れんがテラス1階
7/25居酒屋とりやき酒場 鶏ん家 札幌麻生店北区北40条西5丁目 KCCビル1階

店舗デザイナーの視点:今週のリストから読めること

3つ、気づいた点があります。

1つめ。ジンギスカン業態が2週間で3店。「成吉思汗だだ」「らむすけ 別邸」「炭焼ジンギスカン 狸九」がいずれも中央区南エリアに集中しています。インバウンド回復と「札幌らしさ」を求める観光需要が背景にあると見ています。ジンギスカン店は排煙設備の負担が大きく、居抜きで入れる物件が限られるため、出店は既存の飲食ビル内で回転しているのが実態です。逆に言えば、この設備を持つ空きテナントは今いちばん強い商品です。

2つめ。ピラティススタジオが2週間で2店。北24条と琴似という「地下鉄・JRの副都心」に入っています。ピラティスは水回り工事が軽く、天井高と床の水平さ、それに鏡の設置面さえ確保できれば事務所区画でも成立します。空きオフィスの受け皿として今もっとも増えている業態のひとつです。物件オーナー側から見ると、飲食が決まらない区画の第2候補として現実的な選択肢になっています。

3つめ。麻生(北40条西5丁目)に2店が同時期開業。「よいち餃子大王」と「とりやき酒場 鶏ん家」です。同一街区に複数の飲食が同時に入るのは、その通りの賃料が下がったか、まとまった空き床が出たかのどちらかのサインであることが多い。麻生エリアは後述する閉店(モスバーガー麻生店)も出ており、テナントの入れ替えが進行中と読めます。

閉店情報(2026年7月13日〜26日)

日付業種店名所在地
7/14ハンバーガーモスバーガー 札幌麻生店北区北40条西4丁目 麻生パステルセトビル1階
7/15100円ショップCan★Do 琴似駅前店西区琴似2条1丁目 ヴェルビュタワー琴似1階
7/20造花seven’s FLOWER & POTENTIAL中央区大通西1丁目 ル・トロワ2階
7/24人形吉徳の人形 札幌店北区新琴似7条5丁目
7/26手芸品パーツクラブ 札幌ポールタウン店中央区南3条西3丁目 さっぽろ地下街ポールタウン内

閉店側を並べると、傾向がはっきりします。5件中4件が物販、しかも一等地です。大通西1丁目のル・トロワ、地下街ポールタウン、琴似駅前のタワーマンション低層部、いずれも札幌で最も賃料が高い部類の立地です。

一方で新規開業は飲食とフィットネスが中心。これは全国的な傾向とも一致していて、「その場所に行かないと得られない体験」を売る業態が生き残り、モノを売るだけの小型店は一等地の賃料を負担しきれなくなっているという構図です。

不動産の実務目線で言うと、この変化はマンション1階の店舗区画を持つオーナーに直接効いてきます。物販前提の区画(給排水が最小限、換気が弱い)は、次のテナントが飲食・フィットネスになると設備工事の追加負担が発生する。中古マンションで1階店舗付きの物件を検討している方は、この点を必ず確認してください。

複合施設・再開発の最新情報

SAPPORO ONE(大通西4南地区)— 2029年8月竣工予定

道銀本店跡地に建つ複合ビルの名称が「SAPPORO ONE」に決定しています。平和不動産が手がけるプロジェクトで、内容は以下の通りです。

項目内容
規模地上36階・地下3階/高さ185m
延べ面積99,980㎡
構成業務・商業・宿泊・地域冷暖房施設
ホテルパーク ハイアット 札幌(4階+27〜35階/157室)
デザイン監修隈研吾建築都市設計事務所
竣工予定2029年8月

低層部にアトリウム、屋上には大通公園を一望できる融雪機能付きの屋外テラスが設けられます。札幌の建築で「融雪機能付き屋外テラス」を明記してくるのは、通年で使える外部空間をつくるという設計意図がはっきりしている証拠です。冬季に使えない屋上テラスをつくって持て余す例は札幌に山ほどあるので、ここは注目したい部分です。

北4西3地区第一種市街地再開発事業 — 2028年7月竣工予定

JR札幌駅南口の再開発です。平和不動産・ヨドバシホールディングス・鹿島建設・ダイビル・中央日本土地建物が参画し、総事業費は約1,860億円。

  • 南棟:地上33階・地下5階/高さ158.57m。B2F〜4Fに店舗、6F〜31Fに事務所
  • 北棟:地上9階・地下7階/高さ56.97m。複合商業施設
  • 地下鉄南北線さっぽろ駅のプラットホームと直結
  • 2025年3月新築工事着手、2028年7月末竣工予定

札幌駅前は2028年〜2029年にかけて景色が完全に変わります。中古マンションを買う立場で言えば、この2棟の完成前後で札幌駅徒歩圏の中古相場は一段変わる可能性が高い。すでに織り込まれている部分もありますが、駅直結エリアの資産性を考えるうえで外せない材料です。

新築マンション計画・分譲地の動き

供給は歴史的な低水準へ

ここが今週いちばん重要なデータです。

項目数値
2025年の札幌市内 新築分譲マンション供給843戸(1988年の統計開始以来はじめて1,000戸割れ)
2026年以降に完成予定17物件・合計1,138戸
新築分譲マンション平均価格5,145万円(前年比+3.3%・過去最高)

供給が減り、価格は過去最高。この2つが同時に起きています。

背景として繰り返し指摘されているのが建設費の高騰と人手不足です。特に千歳市の半導体メーカー「ラピダス」の建設に道内の作業員と建設機材が集中し、他の工事の優先順位が下がって工期・コストの両面で影響が出ている、という構図が報じられています。

その結果、新築の供給は割高な中心部を避けて周辺部へシフトし、「JR沿線」がキーワードになっています。また北海道建設新聞によれば、2026年以降の計画は道外デベロッパーを中心に大通・創成イースト地区に複数あり、セカンドハウス需要を見据えた動きも広がる一方、建築費高騰で小規模マンションは郊外に流れているとされています。

北広島・ボールパーク周辺

北広島駅徒歩4分の「レ・ジェイド北海道ボールパーク」は2026年9月竣工・11月引渡し予定で、すでに完売しています。平均分譲価格は約6,500万円、平均坪単価238万円と、札幌市中心部に匹敵する水準に達しました。

北広島市では「キタヒロ・ホームタウン-BASE 2021-2029」の枠組みで、北広公園周辺の市有地や駅北側に分譲住宅を含む交流拠点施設・生活利便施設の整備が予定されています。エスコンフィールド開業から数年で、札幌のベッドタウンから独立した住宅市場へ性格が変わりつつあるエリアです。

倒産・新設法人の動向

街の新陳代謝を見るうえで、開店・閉店の裏側にある数字も押さえておきます。

道内の倒産は増加基調

期間件数前年比
2026年3月25件前年同月18件から+38.9%(5カ月連続で前年超え)
2026年4月38件前年同月24件から+58.3%(2013年3月以来13年ぶりの35件超え)
2026年上半期(1〜6月)156件前年同期比+31件(上半期として2年ぶりの増加)

上半期の負債総額は195億9,800万円で前年同期比+17.9%。負債5,000万円未満の小規模倒産が全体の56.4%を占め、業種別では小売業が3割以上、サービス業・建設業の倒産も増えています。

要因として挙げられているのは、円安の長期化による原材料価格の高騰と、価格転嫁が十分に進んでいないこと。そして帝国データバンクは今後について、「金利上昇による借入金の負担が資金繰りを圧迫し、中小企業を中心に倒産が増える」と見込んでいます。前回の記事で触れた8月からの変動金利上昇は、住宅ローンだけの話ではないということです。

なお2025年12月時点で、道内の高リスク企業(倒産予測値グレード8〜10)は5,974社と前年比145社増で4年ぶりに増加に転じ、業種別では小売業が最多の1,692社でした。今週の閉店リストが物販に偏っていたのは、偶然ではないと見ています。

建設業の倒産は前年を上回るペース

住宅を買う立場から特に注意して見ておきたいのが建設業です。北海道庁の集計によれば、2026年1〜5月の道内建設業の倒産は19件で前年同期比4件増、負債額は20億6,000万円(前年同期比+11億6,700万円)と大幅に増えています。全国でも建設業の2026年1〜5月累計倒産は844件と、前年同期の799件を45件上回りました。

不動産・住宅業界の主な事例(2026年)

調査機関および報道機関が公表した、道内の住宅・建設分野の主な事例を整理します。いずれも公表済みの情報のみを扱い、出典を明記しています。

会社名所在地・業種手続負債額
札証物産(株)/札証商事(株)札幌市中央区・白石区/建売住宅販売ほか2026年3月23日 民事再生法の適用を申請(同日監督命令)2社合計 約61億円(札証物産は2025年8月期決算時点で64億6,206万円)
(株)小林建設札幌市白石区/建設業2026年6月10日 札幌地裁で破産手続開始決定情報なし

札証物産の件は、単なる「倒産」として片づけると読み違えます。申請したのは民事再生法、つまり再建型の手続です。同社は申請と同日に豊栄建設(株)(ロゴスホールディングスのグループ会社)とスポンサー契約を締結しており、事業譲渡による再建を目指すと報じられています。

同社は1965年設立、建売住宅ブランド「impro(イプロ)」を展開し、札幌市内でトップクラスの実績を持っていました。2021年8月期には売上高54億8,000万円で4期連続増収。それが2025年8月期には売上高49億5,700万円、最終赤字14億6,300万円まで悪化しています。

報じられている悪化要因は3つです。人手不足による施工期間の長期化で販売回転率が低下したこと、借入増加により金利負担が1億円を超えたこと、建築資材価格の高騰。これは、この記事でここまで見てきた「建設費高騰」「新築供給843戸への縮小」「金利上昇」という話と、まったく同じ構造です。マクロの数字が、個別企業の決算にそのまま出たということになります。

実務的な注意点を1つ。建売住宅や注文住宅の契約中に施工会社が経営危機に陥った場合、住宅完成保証制度や住宅瑕疵担保責任保険の加入状況によって、その後の展開が大きく変わります。契約前に「完成保証に入っているか」「瑕疵保険の事業者届出はあるか」を確認しておくことは、平時よりも重要度が増しています。これは特定の会社の話ではなく、建設業の倒産が前年を上回っている局面では全般に言えることです。

新設法人

全国では2025年の新設法人が15万7,011社と統計開始以来最多を更新しました。業種別では学術研究・専門技術サービス業(22.9%)と情報通信業(21.0%)で全体の約44%を占めます。増加率トップは宿泊業の+22.4%、逆に建設業は7.0%減。

札幌・北海道に限定した2026年の新設法人数は、今回の調査では確認できませんでした(情報なし)。次回以降、北海道庁統計や東京商工リサーチの都道府県別レポートで追いかけます。宿泊業の伸びは、冒頭のホリデイ・イン開業とも符合する動きです。

今週のまとめ:不動産視点でどう読むか

今週のニュースを不動産の判断材料に落とすと、こうなります。

  • 新築を待つ戦略は成立しにくい。供給843戸・平均5,145万円という数字は、「そのうち良い新築が出るだろう」という前提を崩します。ラピダス関連の建設需要が続く限り、建築費が急に下がる材料は見当たりません
  • 中古+リノベの相対的な優位が続く。新築の価格上昇は、中古の価格に上向きの圧力をかけつつも、絶対額の差は開いたままです
  • エリアは「JR沿線」と「再開発の外側」。札幌駅前は2028〜2029年に大きく変わりますが、その恩恵を最も受けるのは駅直結の一等地。予算が中心部に届かない場合、JR沿線で駅徒歩圏を狙う方が現実的です
  • 1階店舗付き物件は設備をチェック。物販から飲食・フィットネスへのテナント入れ替えが進んでおり、区画の給排水・換気能力が資産価値を左右します
  • 金利上昇は企業の資金繰りにも効き始めている。倒産の増加基調は、テナント退去リスクとして収益物件の判断に織り込むべき材料です

よくある質問

新店オープン情報は不動産選びの役に立ちますか?

役に立ちます。特に同じ街区に複数の新規開業が集中したときは、その通りの賃料水準が動いたか、まとまった空き床が出たサインであることが多いためです。逆に一等地の物販が続けて閉店するエリアは、賃料と売上のバランスが崩れている可能性があります。住宅として買う場合も、周辺の商業が入れ替わり続けているか、空き店舗が固定化しているかで将来の住環境は変わります。

札幌で新築マンションの供給が減っているのはなぜですか?

建設費の高騰と人手不足が主因とされています。特に千歳市の半導体工場(ラピダス)建設に道内の作業員・建設機材が集中したことで、他の工事の優先順位が下がり、工期とコストの両面で影響が出ていると報じられています。全国的な資材・燃料の高騰も重なり、2025年の札幌市内の供給は843戸と統計開始以来はじめて1,000戸を割り込みました。

再開発が進むエリアの中古マンションは買いですか?

一概には言えません。再開発の情報は発表段階で価格に織り込まれていくため、竣工が近づいてから買うと割高になりやすい面があります。一方で、完成後に生活利便性が実際に向上するエリアは、資産価値が下支えされやすいのも事実です。重要なのは「再開発があるから」ではなく、その再開発によって自分の生活動線が具体的にどう変わるかで判断することです。工事期間中の騒音・交通規制も数年単位で続く点は見落とされがちです。

次回予告

この連載は毎週水曜に更新します。次回も札幌の新店・閉店・再開発・マンション計画の動きを追いかけ、不動産の視点から読み解きます。

物件探しとあわせてリノベーションを検討している方は、工事費用の比較方法をリフォーム見積もり比較ガイドにまとめていますので、こちらもあわせてご覧ください。

※本記事は公開情報をもとに、記事作成時点(2026年7月22日)の情報を整理したものです。開店・閉店の日程は店舗側の都合で変更される場合があります。また再開発計画の内容・竣工時期は今後変更される可能性があります。訪問前・ご判断前には各店舗・事業者の公式発表で最新情報をご確認ください。倒産に関する記載は、帝国データバンク・東京商工リサーチ・報道機関・行政機関が公表した情報に基づくものであり、当サイト独自の調査や評価ではありません。統計値は調査機関の公表値です。個別企業の手続の進行状況はその後変動する場合があり、また民事再生法の適用申請は事業の再建を目的とした手続であって、事業の終了を意味するものではありません。記載内容に誤りがある場合はお問い合わせフォームよりご連絡ください。速やかに確認・訂正いたします。掲載写真はイメージです。

参考にした情報源

中古住宅・マンション購入
空間デザイナー×宅建士 Akira.Nをフォローする
ATORINO【アトリノ】

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